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国語「主人公の気持ちを答えなさい」

国語の記述式問題は、採点の際の基準が非常に細かく設定されています。
必要な要素が入っているか、本文中にある言葉を抜き出せているか、それを既定の文字数に収められているか、です。
特定の問題を例として持ってくることは難しいのですが――主人公が嬉しいと感じていることを書けているか、それを端的に表す言葉が本文にあるならそれを抜き出せているか――といった具合です。
また問題で指定されている文字数というのは、この必要な要素を入れると大体ぴったりになるように設定されていて、解く側が自由に文字を埋めたり削ったりする余裕はありません。というか増減できる時点で解答として間違っています。

国語の採点をしてことのある人にとっては当たり前の話なのですが、「子供の自由な発想を妨げている!」と感じる人もいるのかも。
けれどその意見は的外れで。
小説であろうが随筆であろうが、国語の問題は厳密に作られています。解答はみなが納得できるものとなっていて(一応補足。納得できるというのは「大多数の人が」ではなく「万人が」という意味です)、なぜなら論理的に導けるか、その前後にはっきりと書いてあるからです。
すなわち解答者が想像する余地などそもそもないということ。
そうした理由からか、現代文で感情移入しちゃう人ほど、点数が悪かったりします。読めていない部分を自分の想像で埋めてしまっているためですね(なお、きちんと読み取ったうえで感情移入している場合もあり、なのでより正確に言うなら、「感情移入しがちな人は国語の点数がテストによって差が激しくなりがち」となります)。

国語教育(に限らずですが)に求められているのは、論理的な思考と相手の見解を聞く姿勢を持つことだと思います。
筆者の思想に追従しろということではなく。その人がどういう前提に立っているか、そこからどのように結論を導いているか、それをきちんと読み取れるようにする訓練をしています。小説であれば、その相手が筆者ではなく登場人物に変わるだけ。
言い換えるなら「相手の言ってることをまず聞こうぜ!」です。ですから「子供の自由な発想を妨げている!」は的外れだとしました。他人の言うことを聞かずに自分の考えだけを述べる人って鬱陶しいじゃないですか……。
実際の日常生活では他人の気持ちを知るにあたって、相手の表情や仕草も見ています。言葉はその中の一つ。国語はその重要な一つをきちんを受け取れるように教えていると見れると思います。

記述式ではなくセンター試験ですが、私の知ってるエピソード。
たまたま聴いていたラジオのパーソナリティだかゲストが作家だったらしく。またその年のセンター試験にその方の文章が使われていたそうです。問題はありがちな「筆者はここで何を考えていたか?」というもの。
試しに解けるかと問題を見せられたのですが、その方は「え、ここ書いたとき何も考えてなんかなかったよ」と言いました。
ここまでなら「答えは『何も考えてなかった』じゃん。国語の問題なんてあてにならねー」となりそうですが、この方はCM(が挟まれたと記憶)の間に文章を読み直していて、正しい答えを選びました。
問題作成者は筆者があまり意識せずにいた部分まで読み取ったのかもしれません。でもそれは筆者も納得するものであり、また他の受験生にとっても同じであった。
このエピソードはとても興味深いと思って、今でも覚えているものです。

「問題」である以上、解答があり、それを導くプロセスがあるはずです(そうでなければ問題作成者が叱責される……)。日頃読む文章の中には(筆者の考えがまとまっていないのか何なのか)曖昧なものもありますが、そういうのは問題として設定されることはありません。学者が議論しているようなものもならない――とは言わないですが、せいぜい大学生になってから。
国語は小説を取り上げていて、また読んだ人の印象に残りやすいのは小説だからか、物語の登場人物や読者である生徒の気持ちを入れてしまいがちのように感じます。国語は「読み書き+論理問題」で、少なくともテストではそう割り切るべきものだと思います。
――どうせ読むなら、ついつい感情移入しちゃうような文章がいいですけどね。
by zattoukoneko | 2013-08-19 18:34 | 受験関係 | Comments(1)

方程式を見つけた八百屋さん

魚屋だったかもしれません(ぇ
これはちょっとした「お話」で、次のような内容になります。

***

昔、小学校を出て家業の八百屋を継いだおじいさんがいました。
おじいさんは収支の計算を何十年も続けるうちに、ふとあることに気付きます。
自分の発見は素晴らしいと思ったそのおじいさんは、それを整理し、ついに大学の数学教授に成果を見せに行くことにしました。
八「求めたい値を甲と書き、等号で式を作ります。この後数を左右で入れ替えることで、甲の値を求めることができるんです」
教「すごいですね。これをお独りで発見されたんですか?」
八「はい、そうです」
おじいさんは数学史上に残る大発見をしたと思っていました。さぞや立派な賞をもらえるに違いないと期待していました。
数学教授が、おじいさんに“教え”ます。
教「これは方程式と呼ばれ、16世紀頃に成立したと考えられています。未知数はxで置くのが一般的ですね。今では中学校で教えられているものです」

***

当然ですけど、おじいさんは何も賞はもらえませんねー。
一見するとダメなおじいさんですが、私が聞いたものには後日談があり。
教授に出会ったことで数学の面白さに目覚め、大学の授業に参加することを認められます。そして中高に通っていないことや、年齢を感じさせない早さで内容を習得していったとか。

様々な捉え方ができる深い話だと私は思っていて、中学三年生~高校一、二年生を対象に使わせてもらうこともあります。
ストレートな受け取り方をすると「中高の勉強は大事!」になるのかな。
もう少しひねると「先人はすでに多くの業績を生んでいるから、まずは学びに行こう」となる気がします。年齢重ねると、自分でうだうだと考えてしまって、他人に聞くことをしなくなりがちですし。
だたもう一つの捉え方も重要だと思っていて、それは「そもそも考えることをしていなかったら、はたしてこのおじいさんは数学を学び取ることができただろうか?」というもの。これは後日談まで含めるとより実感が湧くし、教授の「すごいですね」という言葉も皮肉ではないとわかる。授業に参加しているだけで成績が伸びるなら、誰も苦労しませんからね。

どのような捉え方をするか、重きを置くかは、聞いた人の資質に拠る気がします。ただ学ぶ姿勢を考える上で、とても面白い話だと思っていて、だから私は中高生相手に披露しています(私自身、最初に聞いたのがその頃だったというのもありますが)。
上記した以外の捉え方もできるかと思います。小話として使うのもありかもしれませんね。時には「方程式ってなんだっけ?」と返ってくることもありますし(いや、ホントに)。
by zattoukoneko | 2013-05-11 10:38 | 受験関係 | Comments(0)

成績の伸び方・ブレイクスルーとは

新しい年度が始まりましたね。特に受験生応援ということで、j今回は成績の伸び方についてのお話です。
で、いきなりその解答をお見せします。図で見ると次のようになります。
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まず勉強のし始めは順調に伸びるのですが、すぐに停滞期に突入します。ここではほとんど成績は伸びません。
が、かなりの長い時間頑張って勉強し続けると急に成績が上がります。それは本当にもう爆発的な上昇です。これを「ブレイクスルー」と呼んでいます。
今回はそのメカニズムのお話や、それをいかに効率的に起こすかという受験生向けのお話となります(特に今年や来年大学受験をする高校生は今自分がこのグラフのどこにいるのか、話を聞きながら位置の把握をしてください。まずは自分の立ち位置を知ることこそが最も大事で、それによって今後の自分の方針、ゆくゆくはブレイクスルーが起こせるかどうか決まります)。


さて、最初の成績の伸びですが、これが起こる仕組みは単純です。数学でいえば公式を暗記したりそれを使ったり、英語だったら基本的な単語を覚えていっている期間に相当します。ようはそれまで勉強していなかったから、覚えた分だけ伸びるということです。この記事をupした春先ならばまだしも、夏にも順調に成績が伸びているようだったら――それは危険信号です。なぜならあなたはまだこの準備段階にいるということですから。
で、順調に伸びていった成績は、しかしほとんど上がらなくなります。どんなに勉強しても、どんなに参考書を読んで問題を解いても、せいぜい数点の差しか出ないのです。大抵の受験生はここでもう諦めてしまいます(もしくはここへすら辿り着けないか、です)。
ですがそこで諦めずに勉強をし続けると、いきなり成績が急上昇します。偏差値で言えば20近く伸びます。これは体験する当人ですらびっくりするはずです。本当にその瞬間、視界が一気に開けたことを自覚します。これは体験したことのある人にしかわからない感覚ですね。

ではなぜ成績は長いこと止まり、そしていきなり急上昇するのでしょうか?
実はこれに対しては明確な答えが残念ながら出されていません。ただそれを経験してきた人々がおり、そういう現象がすべての人に起こるということがわかっているということです。そのためほとんどの塾でこのブレイクスルーを確実に起こさせることのできる講師というのはいないですし、この成績の停滞・急上昇の話をすることすらないのです(もしあなたのことを担当してくれている先生が、単純に成績の上がり下がりしか見ていなかったら、その人は駄目な教え人です。他の良い人を探すことをお勧めします)。
さて「このブレイクスルーのメカニズムがわかっていないとどうしようもないじゃないか!」と途方にくれる方もいるかもしれません。ですが経験者や学者によって一応の仮説は立てられています。またブレイクスルーの瞬間を明確に自覚し、その体験を記憶している人は曖昧ながらもそれを説明できます(もちろん主観も入ってきてしまい、むしろこのために学者間・教育者間の意見の一致が困難になっているのですが)。
以下は現在までに提唱されてきている仮説と、私自身の体験を元に記述します。そう、私もブレイクスルーを体験し、そしてそれを明確に覚えている人間です。また意図してそれを起こしました(実際に起こるまでは不安でいっぱいでしたが)。まだまだ曖昧なところが多いのですが、話を聞くのは無駄にはならないでしょう。一つの意見として耳を傾けてもらえると何かの役に立つかと思われます。


まず停滞とブレイクスルーはどうして起こるのか、一般的に言われていることをお話します。
勉強している科目・学問は、分けようと思えば細かく分けることができます。実際高校の数学の教科書を見ると二次方程式、三角関数、ベクトル、確率、微分、積分といった具合に分かれており、またこの中でさらに三角比、正弦定理、余弦定理、加法定理、二倍角の公式、積和の公式、和積の公式などと細かくなっています。数学だけでなくあらゆる高校の教科書の記述はそうなっていると思います。
これは確かに勉強のし始めには役立つのです。それぞれ別個のものとして暗記してしまえばいいのですから。ですがブレイクスルーを起こすのには大きな弊害となっています。なぜなら学問というのは「全体的な理解」が必要だからです。そして実際に受験問題というのは(難関校にいくほど)個別の公式だけでなく、分野の総合的な理解、さらには分野をまたがった理解ができているかを問われます。
実はこのブレイクスルーというのはこの「全体の理解」がいきなり頭の中で起こるから生じる現象なのではないかとされています。人はどうしてもいきなり全体を見ることはできません。どうしても見たもの体験したものの、その個別のものを知識として持ちます。これらは結びつくことなく、まるで脳のあちこちに浮いているかのように点在しています。ですがそれらがある程度揃い、そこに何かの影響で知識を結びつけるような力が加わると、いきなりネットワークができるのです。それはあたかも一つの分野、学問を空から俯瞰しているような感じになります。そのためブレイクスルーを体験した人は「急に視界が開けた」ように感じるのです。

よってブレイクスルーを起こすためには「全体の理解」が必要であり、そのために知識を蓄積していくという停滞期を乗り越えなければなりません。
が、これはとても辛く、そして確実にブレイクスルーを起こせるというものでもありません。ほとんどの受験生が知識をばらばらに持ったまま本番を迎えてしまいます。
では実のところこの停滞期、というのはどのくらいの期間を持っているのでしょう?
割と初期に教育の方面でこのブレイクスルーを前面に押し出してきたのが留学志望者向けの雑誌である『English Journal』を発刊している「アルク」という会社でした。アルクでは最初は英語全般ではなく、リスニングにおいてそのような現象があるとして説明しました。英語のテープや映画を観ていても、それを毎日数時間続けても英語は聞きとれるようにはなりません。ですが3~6か月ほど耐え忍んで聞き続けるといきなりわかるようになると『English Journal』にて取り上げました。ブレイクスルーに関してはすでに学者間でも話題にはなっていましたが、このアルクの動きが(私が確認している範囲では)初期のものです。
けれどもうこの時点で愕然としている受験生もいるかもしれません。一日数時間リスニングを行なって、早い人でも3か月、よくても半年かかるというのです。そして受験英語はリスニングだけでなく、長文読解や下線部訳などがあり、そして受験科目は英語だけではないのです。単純に全分野で半年かかるとして、全科目で一度ブレイクスルーを経験するには何年かかるでしょうか?
なお(追い打ちをかけて申し訳ないですが)ブレイクスルーはリスニングでは起こりやすい部類です。期間も短いです。大学受験レベルなら長いものでも二年ほどかければなんとかなりますが、大学で習うもの、そして専門領域になってくると短くて一年。長いと十年以上かけて起こすものがあります。(私の教わった先生――相当トップクラスの先生ですが――ですら「ようやくつい最近20年かかって自分のやっている分野のことがわかるようになったよ」なんて言ってたくらいです)

ここまで読まれた受験生はもう自棄になっているかもしれません。ですがまずはその事実を知ってもらわなければなりません。そして自分の前にはそんな大きな壁があるのだと認識してください。そしてそこで諦めなければ――それこそがまずブレイクスルーの第一歩です。

とはいえ物理的な時間として各分野に半年、そして科目全体の理解となるとさらに半年から一年かかるとなると、どう考えたって現役合格は無理な話です。でも実際には難関校へ受験生たちは結構な数が現役で受かっています。彼らは一年から高校の三年間(私立とかだと中高の六年間)でブレイクスルーを見事に起こしています。こうした人々は(自覚的にか無自覚的にか)きちんとブレイクスルーを起こしているのです。彼らは別に特別天才なわけではありません。ですから一般的な受験生(さすがにやる気のない受験生は無理ですが)ならばそれを真似ることが可能です。そして私自身がきちんと自分でそれができることを確認しました。そして効率的に進めればこの四月、五月からでまだ間に合います。
ちなみに私自身の春頃の成績をお伝えしておきます。偏差値30台でした(受ける模試によっては60近く出ることもありましたが、でもそれでも平均よりちょっと上。そしてそういう模試はレベルの低い方がたくさんいてくれるから相対的に私の偏差値が上がっているだけです。頭のいい人はそんな模試受けてこないんですよね。これについては「有名私立の内部事情」という記事で少しお話しました)。でも私は――入った大学や学部を教えることはできないですが、少なくともこれまでの記事で取り上げてきたレベルの難関校に現役で合格しています。そうした人間の経験談や学習計画の立て方は(まったくそのまま模倣するのは無理でも)参考になるのではないでしょうか?

ではここからはどうやればブレイクスルーが効率的に、より高確率で起こせるのかという話に移ります。これは――私がどうやって約一年間の計画を立てていったかを一事例として挙げた方がいいでしょうね。
私はまず高校二年生の十月終わり頃から受験態勢に入りました。でもまだこのときは部活が忙しかったですし、何を勉強すべきかわかりませんでした。ただ少なくとも学校の先生たちが提示してくる課題や参考書だけでは無理だということはわかっていました。ですので参考書漁りを始めたのです(参考書の紹介記事が去年のその頃に書かれているのはそのためです)。無論ただ片っ端から有名参考書を集めればいいというものでもありません(一番人気のチャート式は難関校受験にはあまり向かないとお伝えしました。理由もこれからの説明で再度わかることでしょう)。それは私が実際に難関校の二次試験の問題を数年分先生などからもらっていく中で感じたことです。難関校ほどあらゆる分野にまたがった広い知識、そしてそれを理解して扱えるようになっていることが求められているということはわかりました(問題は当然のように解けませんでしたが)。この過去問の調査でわかりましたが、難関校ほど「全体的な理解」が必要だということが見えてきました。そして分野をどんどんまたがって理解しなければならないことも判明してきました。そんな中で「ブレイクスルー」のことを知ったというわけです。アルクの『English Journal』やその他の本の中でその存在を知り、専門書の方まで手を伸ばしてその仕組みを調べました。するとそこには「知識が結びついて大きな理解に繋がる」と書いてあるではありませんか。私は「運が良かった」と思いました。早い時期にブレイクスルーという存在を知り、また自身が過去問を見ていく過程で「全体的な理解」が必要だと感じていたところでしたから。となれば参考書はどのようなものがいいのか見当がつくというもの。ようは「分野をまたがって全体を繋げるようにして書いてある参考書」がブレイクスルーのためにはいいということです。もちろんいきなりそんな「全体を見ている本」なんて手が出ません。まだ私は停滞期にすら入る前だったのですから(特に『解放の探求』なんてのは分野がいくらか分かれているとはいえ難しすぎます)。だから基本的な知識も入れられているようなものも勉強に使用する参考書のリストに入れていきました。数学では『細野数学』なんてのがその一例ですし、英語であれば『速読英単語』なんてのが長文を読むという「全体」もできてかつ基本の文法の確認もできてよい参考書でした。(これらの参考書のリストや使い方については以前書いたものですので、そちらの記事も一緒に確認してください)
そうして四月の末頃、ちょうどゴールデンウィークのあたりに一年間の計画を立てていきました。一体何の参考書を使うのか、そしてそれはどういう目的で使い、後々の参考書に繋がっていくのかを書きこんでいったわけです。時間はもう10カ月を切っています。ですからいかに効率よくブレイクスルーを目指すかがその計画表の目的です。また勉強するのは一科目ではありません。当然物理的な時間というものがありますから、それらを組み合わせて調整をはからなければなりません。ですから私が用意したのは全科目を総合した計画表と、各科目の計画表です。それぞれA4の紙一枚ぎっしりに勉強期間と、参考書の繋がりを矢印で書きこんでいきました。
当然これは「計画」です。予定していた時間に参考書が読み終わらないことも実際に起きましたし、新しくいい参考書を見つけることもあります。そうなれば計画表は書きなおしです。ですがその第一段階の計画表がなければその後の変更すらままなりません。なのでこの計画表はかなり本気でつくりました。準備は上述のように十月から始めており、構想も高三生になった頃には練り始めました。そのうえで計画表を書くのに一週間以上かけ、そこから勉強時間などの修正を行なって、半月かけて完成させました。時期はもう五月の半ばです。
この計画は正直賭けでした。そもそも「ブレイクスルー」というのがわからないのです。専門書でもまだ曖昧で、そして何より自分自身がそれを体験していないのですから。失敗すれば最初の段階の基礎知識すらおぼつかない状態で受験に突入する可能性もあったわけです。ですが――私の目論見は成功を収めます。まず最初にブレイクスルーを起こしたのは化学でした(これは私の最初の計画にあった通りです。化学はもともと得意だったのと、理論、無機、有機と分けやすいからです。数学みたいにいっぱい分野があって、なのに問題はそのいくつにもまたがって出題される、なんてことがほとんどない科目でしたから。なので化学で最初のブレイクスルーを体験しようと計画したのです。ただし、いくら理論、無機、有機と分かれているからといって、それを別個にやるのはもちろんNG。これは前回の「氷の上はなぜ滑るのか?」で少し触れたように、無機や有機でも深く知ろうとすれば理論がかなり重要になるからです)。
この最初のブレイクスルーを体験したのは八月ももう終わって九月に入る頃です。ここまでかなりの時間がかかりました。またブレイクスルーも無機といういくらか限られた領域での話です。が、それでもよかったのです。「ブレイクスルー」というものが確かに起こるということが確認できました。そして私はそれを「意図的に」引き出すことに成功したのです。となれば他の分野にも同じ方法が適用できるはずです。実際それは上手くいきます。十月に入る前に有機化学でブレイクスルー。十月半ばで国語の現代文でブレイクスルー。ほぼ同時期に数学の方でも発生。十一月には英語の長文読解と下線部訳でも確認。年末に化学全般で二度目のブレイクスルー。年明けに英語のリスニングでブレイクスルーを起こし、生物全般でも発生。数学は二度目へ。(そしてここは計画がずれてしまいましたが)センター終了後に英語でさらに大きく成績の上昇。化学、生物でも二月には何度目かのブレイクスルー確認。かなりぎりぎりではあったものの、きちんと受験本番には間に合って合格できました。

さてブレイクスルーの概要はこんなところですが、ではどう計画表を立てるのが気にかかるところかと思います。私の計画表のすべてを公開することは不可能ですが(なにせ今手元にその計画表はないので。また修正も何度もしたから量が膨大なのです)、以下では説明のしやすい英語の計画の大まかな内容をお話ししておきます。何かの参考になれば幸いです。

そもそも私は英語が全然できませんでした。部活の顧問の先生(英語担当)に「お前は語学の才能がないから絶対に文系に行くな」と言われたくらいです。先に春の模試で偏差値30台と言いましたが、その中でも一番悪かったのが英語です(34とか、そんな値を出した気がします)。
で、私の計画は次のように立てました。
まずリスニングには確実に時間がかかることはわかっていました(アルクの記事を読みましたからね)。だからこれは早くやらなければなりません。ですが最初の私は文法も単語も危うかったのです。その状態でいきなりリスニングに取りかかっても時間を浪費する危険性があると判断しました。
かといって文法書や単語帳をやっている暇なんてありません。なにせ猶予はもう八カ月程度しかないのですから。
ですので私は長文の全訳と下線部訳を最初に取り組むものとして打ち出します。特に長文は文章を読むという実践訓練になります(多読が英語の成績を上げるのにはよいということは参考書紹介の記事で書きました)。でもまだ速読していくには文法も単語もわからない。だから「全訳」という形をとります。これをやりながら文法と単語も確認していくというわけです。つまりここは合わせることで時間の短縮を狙ったということです。
長文の全訳はおもに休日の午前中にやりました。目標は一ページのものを二編。午後はブレイクスルーを早く起こしたい化学と、時間のかかる数学にあてる感じです。(ただし本当に英語ができなかったので、実際に二つ全訳する頃には午後の二時とか三時とかになってました。多分このときの読みで失敗したので、受験ぎりぎりになったのだと思います)
この長文全訳に関しては六月末までと制限をかけました。受験問題には「全訳」は出ないですから。なので七月からはもっと実際の問題に近いものを取り扱っていきます。ここから長文の演習(このとき足りないと思えば全訳に戻りました。ここは計画の変更点です)、および下線部訳。そしてリスニングを入れていきます。リスニングには六カ月かかると思っていたのでこれ以上遅らせるわけにはいかなかったのです。
八月に入るとさらに英作の勉強も入れていきます。この頃には長文全訳なんて時間のかかるものはなくなっているので、追加でどんどん入れられると踏みました。
なお下線部訳でもリスニングでも、そして英作でも文法や単語の確認は適宜入れていきました。これも時間の短縮を狙ったものです。
で、秋以降は本格的に二次試験の問題に取り組む計画を立てていました。そしてそれも実行に移します。
――が、ここで予測していなかった事態が起こります。単語力が決定的に足りなかったのです。急遽単語の暗記を追加します。これはかなり時間がかかりました。計画が一月半ほど遅延します(だからセンター後にようやく本格的なブレイクスルーなんですね)。
十二月の末頃からは英語に限らず全科目でセンター対策です。センターは選択問題ですから、二次試験の勉強ばかりやってると点が下がってしまうのです(逆もまた然り、です)。
そしてセンターが終われば二次対策へ。ここでセンター用に頭が切り替わっているので急いでやり直しです。もちろん全部忘れているわけではないので時間はかかりませんが、でも勘というのは半月もあれば相当鈍るものです。

以上が英語に関しての大まかな計画でしょうか。参考書名などは挙げていませんが、それは私の以前の記事をご覧いただくか、また自分で実際に本屋に足を運んで自分に合ったものを見つけて計画表に書きこんでください。
なお上では本当に大まかな内容で、簡略化もしています。実際にはもっと試行錯誤して、何冊も参考書を試しては切り捨てていってます。また(私が受験生だったときにはセンターにリスニングはありませんでしたが)、センター対策しながらもリスニングだけはやり続けてました。これは耳が鈍るのを防ぐためです。何せ急ごしらえのリスニング能力ですから、その後も持続するとは思えなかったのです。


さて以上がブレイクスルーの話や、私の勉強計画の話ですが、では各大学はどのあたりの成績を持っていればよいのでしょう?
大まかな目安ですがMARCHレベルだと一回のブレイクスルーで合格可能圏です。これは私の周囲の人や、私自身が受け持った受験生を見ていての感覚です。ブレイクスルーに至らなかった生徒はほぼ100%MARCHには合格していないです。
早慶では二回目のブレイクスルーが必須です。つまりMARCHと早慶は格が違うという話です。MARCHでほぼ満点取って合格できても早慶の合格ラインにはかすりすらしません。よく私の元にくる受験生で「早慶(あるいは東大)が第一志望で、MARCHくらいには何とか入りたい」と言ってくる生徒がいます。もう速攻で私はぼろくそに言います(生徒としてはつらいでしょうけどね)。MARCHを何とか合格のレベルで早慶の名前を出すな、って言い聞かせます。早慶を本気で狙うならMARCHは「滑り止め」としろと教えることにしてます。これは――ブレイクスルーしてもらわないといけないのですから、自分の立ち位置と志望校との距離をまず把握してもらわなきゃいけないのです(今回の記事の初めでもこれを見る人には少しそれを促させてもらいました)。
なお東大や京大、その他旧帝大や、一橋や東工大なんてのはどうでしょうか? ここは微妙なところですが、合格安全圏はブレイクスルー三回目です。東大に受かった友人が秋の終わり頃にこんなことを私に言いました。「今の学力でも早慶には受かれる自信があるけど、東大は全く自信がない。差がありすぎる」と。彼はその後猛勉強して早慶も東大も合格します。でもきっと彼もその猛勉強がなかったら東大はきつかったのではないでしょうか? よく早慶に受かる学力があれば東大も何とかなると思っている人がいるみたいです。確かに東大合格者の中には早慶レベルやときにはもっと下の人もいるみたいです。でも東大にはその後「進学振り分け制度」というのがあって、二年次の夏までの成績で行ける学部が決まります。そして80点以上は全体の3割までとかかなり厳しく制限が設けられているようです(そうしないと点数を甘くくれる先生ばかりに偏っちゃいますし、先生を選べない必修科目では運でその後の人生が左右されてしまいますからね)。大抵偶然で東大に受かった生徒はここまでの段階で消えていくみたいです。というか一年の終わりまで残っていられないそうです(私の高校から東大に入った一人はすぐにやめてしまったんだと、この前母校を訪れたときに聞きました)。ようは早慶と東大を同じランクで見てると痛い目見るよってことです。私自身も先に述べた友人と少し遅れて早慶と東大のあまりの大きな差に愕然としました。まずこの壁が見えてない人は、仮に東大に合格できてもその先は上手くいかないんでしょうね。就職するとかだけだったらまだしも、研究者として大学や一流企業に入りたいという希望は叶わないと思います(それに東大は就職の支援はほとんどしてくれないらしいですから。最近ちょっとだけ動き始めたと聞きましたけど)。


さてはて、今回の話を聞いて愕然としてくれた方。あなたはむしろ喜んでいいですよ? 愕然としているということは自分の立ち位置が多少なりともわかったということですから。あとは挫けずに努力できれば道は拓けます(ここが一番大変なんですけどね……)。
今回の話でなーんにも感じなかった方、あるいは「嘘だー」と思った方。申し訳ないですけど、一年後の結果で思い知ることになると思います。私が今まで見てきた受験生で、同じように考えて難関校に受かった人を(偶然受かっちゃったは除くと)一人も見たことないです。偶然受かれる人もいるにはいますが、本当に低確率だし、先にも言ったように(東大に限らず)大学入学後で落ちぶれます。素直に三流大学に志望を切り替えておくことを勧めます(三流大学の方が就職支援はしっかりしているので、就職率ほぼ100%というのがかなりありますから)。
まあ、厳しいことを言ってますけど、それが現実。そして現実といのは厳しいものなのです。それを受け止められた人が歩みを進められるのでしょうね。
とかく私は受験生を応援しますよ。何してもやる気を出してくれない人は――お手上げですが(苦笑)
by zattoukoneko | 2010-04-02 07:21 | 受験関係 | Comments(16)

有名私立の内部事情

日付が変わりましたので忘れないうちに次の記事をup。


さて、模試の結果を見てみましたでしょうか? 灘や開成といった上位校の名前はトップ100に載っていなかったと思います。(まれに一人、二人名前が載っていたりしますが、これはこれらの学校の落ちこぼれだそうです。名前を出したくて受験するみたいですね)
これの理由としては(どうやら関西には全国・関東模試とは別のものがあるからというのもあるらしい?のですが)、「模試なんて受ける時間があるなら自分の勉強に回した方がいい」という考えがあるようです。彼らにとっては模試で満点近くを取るのは当たり前のことなので。

今回紹介します開成や灘に関しては、私の友人らや各種学校・予備校の先生方から入手した情報をもとにしています。また開成については私の教わった大学の先生が開成出身、かつ一時期開成の先生をしていたという経歴を持っていましたので、その人から色々とお話をお聞きしました。それなりに信頼のおけるソースかと思われます。


まずは開成からいってみたいと思います。
開成は先に述べたように模試を受けてこないわけですが、これには「自分の勉強の方が」という以外にも理由があります。それは開成には独自の実力テスト(正式名称は忘れました)があるからです。
このテストのレベルは東大入試試験レベルと同等。つまりこのテストでいい成績を取っていれば東大合格がほぼ確定というわけです。
こんな優秀なテストがあるものですから、別に多額のお金を払って予備校の模試を受ける必要性を感じないというわけです。
また試験繋がりでいいますと、開成のテストは先生方がオリジナルでつくるそうです。先に述べた開成の先生をやっていた方の体験談ですが、その人はあるとき時間がなくて参考書から問題を抜粋して試験をつくったことがあるそうです。その結果、生徒の成績は9割以上が100点。数人が一問ミスくらいという結果になったそうです。これは開成の学生らが優秀だったということももちろんありますが、もちろんそれだけではほとんどの生徒が満点をとるわけがないです。理由は簡明で、本屋で手に入るような参考書は「全部」目を通していて当たり前なのだそうです。開成に受かってくるレベルの人たちは一読すればその本の内容を丸暗記できるような人たちなので、先生がうっかり参考書から問題を抜粋してくれば、それはもう知っている問題ということです。ですので9割以上が満点という事態になったようです(だからこそ先生方はオリジナルの試験をつくるように言われているのですが)。


次に灘についてです。
ちなみにみなさんは勉強時間はどのくらいでしょうか? 一日3~4時間やっていると優秀な方に入れられるのが大抵の高校です。ですが本当はそれではとても足りないのです。
実はやるべき勉強時間には(文科省による)決まりがあります。(高校では気にしないと思いますが)単位を取得する場合、まず必要な時間だけの授業を受ける必要があります。それに加えて、授業の時間の二倍の自学習をしなければならない、とされています。つまり一コマ60分の授業を受けていれば、それに対して自学習で120分の勉強をしなければならないということです。(なお実験などはちょっと異なりますが、今回は触れません)
しかし一日六時限あるとしましょう。すると60分×6コマで、6時間の授業があるということになります。すると自学習は12時間。土日が休みだとしてもこれだけの勉強時間をこなすのは無理ってな話です。
そこで(まだ昭和のころの話ですが)先生方が集まり、これに関して検討を行ったことがあります。その結果、一日5時間の勉強時間があれば授業の内容をマスターできるのではないかとされました(現在ではさらに短くなって3時間という先生も出てきたようですが)。ですので上で述べた、一日平均5時間、という勉強時間の基準はここからきているわけです。
しかしこの文科省の決まりは昔の人たちは当たり前のようにこなしていました。今受験生の人たちから見れば祖父母の代ということになるのでしょうか? 実際この年代の人たちの学力はとんでもないです(そもそも現在の教科書と昔の教科書を比べてみるとそのレベルが違いますが)。次のは私の高校の先生が三者面談で経験した話。
 父親「いやー、やはりこの歳になると受験問題は解けなくなるものですね。去年のセンター試験をやってみましたが、700点しか取れませんでしたよ」
とおっしゃっていたそうです。ちなみにこの人は東北大出身。先生は慌てて「昔の東北大と今の東北大とではレベルが違いますよ」とフォローしたそうですが(生徒がセンター600に届かなかったですからね)。
さてこの一日の平均勉強時間が12時間というのは、昔の人たちにとっては当たり前でしたが、今の中高生には難しい話です。ですが灘だけはこれを遵守している高校です。
灘高生の平均勉強時間は13時間(ちなみに1年生)とも言われています。当然ですが授業や予備校での勉強時間は抜かします。また彼らの多くは部活動もやっています(灘は部活の業績も優秀なんですよね)。
もちろん平日に12~3時間の勉強時間は(物理的に)とれるわけないのですが、その分は休日に埋めます。日曜なんかの勉強時間は20時間を超える人も沢山いるそうです。
また灘(だけではなく関西有名高校)の生徒の多くは数学オリンピックの経験者でもあります。関西の有名高の生徒は東大なんか狙いません。彼らの目標は京大です。ですから東大と京大の数学の試験を見比べてみるとわかりますが、京大の方が圧倒的に難しいです。ですが合格者の得点率は京大の方が高いです(東大は6問中3完すれば受かると言われますが、京大では8割以上が目標です)。
なお関東と関西で大雑把に分けてみると、関西の学生の方が圧倒的に優秀です。灘やラ・サール出身の人と話したことがありますが、正直化け物ですね。何故だかはわかりませんが、関西には天才肌の人たちが多くいるようです。
ちなみに上のような関東。関西のレベルの差があってか、関西地区の人たちは東大なんかは受けてこないです(関東地区の人たちにはありがたいことです)。彼らは東大よりも京大を目指します。(ただし慶応や早稲田を受けにくる生徒さんは結構いるみたいですが)
ただ灘だけは異なっており、成績優秀者は東大理Ⅲを受験することが(ほぼ)義務付けられるそうです。そのため理Ⅲにおける灘出身の人の占める割合が高いわけですね。(ただ義務で受けているために、医者を希望していないのに理Ⅲに入ってしまったと悔やんでいる方がかなりいるようですが)


上では東西の雄として開成と灘をご紹介しました。しかし他にも関東には桜蔭があったり、関西にはラ・サールがあったりします。今回は触れませんでしたが、事情はあまり変わらないようです。
なお東大合格「率」(数ではない)だけでみると筑波大付属駒場が全国で一番高いですし、受験の難易度も開成より上ですが(というか一次試験がくじ引きというのが恐ろしいですが)、開成と筑駒のトップを比べてみると開成出身の人の方が頭がいい感じがしました。確かに筑駒出身の人は知識量は半端ないですが、思考力という面では開成の方が高いみたいです。実際筑駒出身で東大に入った方はその後伸び悩んでいる感があります(もちろん人によりますよ)。そのためか、いくら合格率が高かろうと、関東の雄はあくまでも開成で、筑駒とは言われないみたいです。


最後にオマケ(と言っては失礼ですが)として慶応中・高について。
慶応は非常にエリート意識の強い学校です(この辺は東大・慶応・早稲田と学生の特色を比べてみると面白いのですが)。そして大学では学部によって階級が存在します。
一番上の学部は法学・医学です。一番下は船舶だったかな? 慶応の生徒さんに聞くと上位学部からの差別意識は相当強いみたいです(当然人によります)。
これには理由があります。慶応は中学・高校から大学へとストレートで入れるわけですが、当たり前のように自分の希望が優先されるわけではありません。(ちょっと正確なことは忘れましたが)高校の最後の方に試験があります。それとそれまでの成績を総合して、進学できる学部というのが振り分けられます。
当然優秀者は法学部や医学部に進学するわけですが、残念ながら慶応中なんかに受かってきた生徒は勉強しなくなります(私も個別指導で担当したことがありますが、相当ひどいものです)。彼らはもう受験する必要がなく、慶応に入れるのは確定ですから、勉強なんてする気にならないようです。また慶応中に入った時点でそもそもの学力が高いので、別に自分の勉強時間をとる必要性も感じないようです。そのため高校課程修了時には学力がかなり落ちてしまっている。そのため彼らは船舶のような下の学部にばかり振り分けられます。
そうした理由から大学から慶応(の上位学部)に入った人からは差別の目で見られます。自分たちの方が圧倒的に優秀ですから。また中高から法学・医学に入った人たちは、こちらは勉強をきちんとしてきた人たちで、元々の優秀さもあって尊敬の目で見られます。こうした、まるで西欧諸国のような階級意識のあるのが慶応です。
ただ慶応中から上がってきた人たちは、たとえ自分たちが下位の学部に振り分けられようと、「慶応生」というブランド意識をとても強く持っているようで、そのためずっとエリート意識を持っています。他の大学の生徒よりずっと優秀だと思っているのですね(実際はそんなことないのでうが)。
しかしながら慶応(および早稲田)はやはりブランドなので、就職はしやすいのですね。そのせいかこのエリート意識は抜けてくれないみたいです。(ちなみに早慶の就職率が高いのは、ブランド、というのももちろんありますが、現在の多くの企業の社長や重役が早慶出身だからと理由があるみたいです。昔の早慶出身者が頑張って起業したのですね。その人たちからすれば同郷の人たちなので、優先的に入れたくなるみたいです)


さてはて慶応はさておき、開成・灘の実情を聞いてみると他の高校に通う受験生は相当焦るのではないでしょうか? 難関校を目指す人たちはこういうレベルの人たちと競うわけです。今現在やこれまでの中高での勉強量を振り返ってみて、彼らとの差がどのくらいあいていることか。そしてそれを埋めるにはどれだけ勉強しなければいけないのかを考えてみるべきかと思います。
ちなみに私自身は(灘には及びませんでしたが)こうした実情を知った後勉強時間を増やし、高三の春には平均で勉強時間が10時間弱でした。それを正直に高校の先生に話したら信じてもらえませんでしたけどね。あと本屋に並んでいる参考書は全部目を通しました。大学の参考書も何冊か手にとりましたね。開成の生徒のように丸暗記なんてとてもできませんでしたが……。
これから受験勉強に入る方は早め早めに自分と他校との差を自覚し、計画を練った方がいいです。というか今の時期から始めてないととてもではないですが1年後に間に合いません。

さあ今回はこのくらいにします。他にも受験生には「ブレイクスルー」とか色々とアドバイスできることはありますが、今回の高校の紹介とは外れるので省きます。今後も書く予定は立てていないので、自分で調べてください。まあ、要望があったら惜しみなく書きますけど。
次回は日本における有罪の確定率でしたね。細かいデータを忘れたので調べなおさなきゃなあ……。
by zattoukoneko | 2010-01-27 00:37 | 受験関係 | Comments(0)

予備校の暴露話

今回は(有名)予備校のお話をしたいと思います。ただ、私が関東出身だったために首都圏近郊に限らせていただきたいと思います。一応中部・関西も少しは知っているのですが(東北・北海道は皆無です、すいません)、紹介できるほど詳しくはないので省かせていただきたいと思います。

さて、紹介するのは、駿台、河合、代ゼミ、Z会、進研ゼミ、東進、SEG(敬称略・順も適当)といったところです。東大および早慶レベルに受かってくる学生さんを調べてみると、ほとんどがこのどこかに所属していたという感じですね。
ちなみに私はどこにも所属してなかったです。予備校に通うだけのお金がなかったので。代わりに友人らから各予備校の情報をどんどん仕入れていましたし、本屋に通っては参考書を読み漁るという日々を過ごしていました。そんなわけで今回のような予備校紹介や以前のような参考書紹介ができるようになったりしたわけです。


ではまずは以前参考書の話をしたときにお薦めしたZ会からいってみたいと思います。
Z会は東大・早慶・MARCHといった難関校に多数の合格者を出していますが、残念ながらZ会だけで早慶以上の難関校に受かったという方には私は会ったことがありません。もちろん中にはそういう方もいるでしょうが、少数なのは間違いないです。
Z会は通信で問題を取り寄せつつ、他の予備校をメインで使っているという方がほとんどのようです。
ただ以前も紹介したように、通信で送られてくる問題・解説はとてもよいです。だからこそメインは他に置きながらもZ会をやっているという方が多いのだと思います。ですからZ会に関してはけして悪いところではないと私は思います(私自身友人から問題――生物など――を少し提供してもらっていましたが、やはりとてもよかったです)。


次に代ゼミにいってみたいと思います。
Z会同様、代ゼミだけで受かったという方は少数です。Z会よりは多い気がしますが、それはZ会が通信で時間的にも費用的にも融通が効くという側面があるからだと思われます。
また代ゼミと他の予備校を併用して利用していた合格者は、ほぼ100%「自分は代ゼミに行ってた」とは言ってくれないです。彼らの中で代ゼミよりも圧倒的に他塾から学んだことが大きいのだと感じているのでしょう。
それと代ゼミの講師陣の力量を(間接的に)聞いてみるに、他塾よりも劣っているという感じがします。
中には代ゼミの講師で人気がある方もいらっしゃいますが、そういう方の出版物や講義録を見てみると、正直使えないというのが私の感想です。これはいくらか長期的な視点が含まれています。つまり大学入学後もそこで学んだことが役に立つか・定着するかです。代ゼミは短期間で成績を上げるには良さそうです。しかし長期的な知識・学力の習得には不向きでしょう。「熱しやすく冷めやすい」が代ゼミの特徴なのかもしれません。ただすぐに成績に反映しやすいし、見ていて面白く感じるので、好きな人は好き、という感じでしょうか? ただ難関校を目指し、かつ大学入学後・卒業後も自分の能力をつけておきたいという方には向いてないと私は考えています。


次に進研ゼミ。
これもZ会と同じです。通信で他と併用している方がとても多いです。またZ会は高校以上でないと対応できない感じですが、進研ゼミは中学時代からどんどんやれますので、そのときの加入記録をたどって、後に東大合格した、とか報告をしている模様です。
Z会同様通信として問題を取り寄せ、メインは他に置くというのがやはり良い感じですが、先に述べたように超難関校を目指すならばZ会の方がランクが上ですのでそちらを取った方がいいかもしれません(ここら辺は自分の学力や志望と相談することでしょう)。


最大の予備校である駿台にいきましょう。
講師陣はおそらく業界随一でしょう。また駿台文庫という素晴らしい参考書群も出版されています。私も駿台文庫には大分お世話になりました。
で、東大・早慶に受かっている方の多くも、「自分は駿台」と言う方が圧倒的に多いです。
しかしながら問題は駿台の講師の多さにあります。当然のことながら中にはあまり良くない先生もいるわけです。そういう方に当たっては到底難関校合格なんて無理な話です。
また自習室があって便利なのですが、そこの監督者、兼、質問があった時の回答者は(一応有名校ですが)所詮大学生で、もちろん受験以降勉強していないなんて人もざらですので、正直使い物になりません。
駿台に通う場合、交通費がかかるのは諦めて東京都内まで通い、実力のある先生の授業に出席することをお勧めします。郊外の先生方では実力不足は否めません。


また大手である河合の話をしたいと思います。
各科目に関してずば抜けた講師という方は目立っていないという感じです。しかし駿台のようにバラツキがあるわけではなく、まんべんなく実力を持っているという感じでしょうか。
また参考書紹介で挙げたように、センター模試の解説本である『黒本』は相当な良著です。これらを書かれている先生方はよっぽどセンターを研究して、解答解説を練っているな、という感じです。
それと化学に極めて強いというのが特徴でもあります。これは業界随一。ただし難関すぎますので、東大・早慶の化学で満点近く取りたいという人のみにお薦めという感じでしょうか?(混成軌道なんてのは当たり前として、双力子モーメントや発色団なんてのを普通に教わります) まあ、興味のある方は化学の難しさに触れてみるために夏に講習を取ってみるのもありかも知れませんね。


東進は有力な予備校「でした」。私が受験生だった1999‐2001にかけてはとても優秀でした。
東進が飛躍したのがちょうどこの年で、噂によれば駿台・河合あたりから優秀な講師を引き入れたというのがその要因のようです。
しかしながらそのような優秀な講師を沢山そろえられるわけはありません。
そこで始まったのが、衛星予備校、というやつ。DVDなどで有名講師の授業を見れるというものです。東進側としては何度でも同じ内容を見れるという利点があるのだと力説していますが、何かを教えたことのある方や授業を(真面目に?)受けたことのある方ならすぐわかると思います、DVDなんて見る気にならんのですよ。
やはり先生がその場にいてこその緊張感もありますし、質問ができるという大きな利点もあります。しかしDVDでは質問ができない。それに実際に通ってみた人の感想では「何度でも見れるから集中する気になれない」だそうです。
この衛星予備校は明らかな失敗です。金儲けのためとしか思えず、受験生は避けるべきものでしょう。


さて最後にSEGです。これは東京にしかないのでしょうかね? 姉妹校みたいなのはあるみたいですが。
ここは理数系に非常に強い塾です。また講師も下手をしたら駿台や河合よりレベルが高いかもしれません。
しかしそのレベルの高い授業を受けるには入塾の試験にパスする必要があります(今は色々な難易度のクラスがあるようですが、名門校を狙うなら上位クラスを狙いたいところです)。けれどもこの試験がそもそも難しい。というかこの試験にパスできて一番上のクラスに入れる実力があるならその時点で東大合格はほぼ確定です。私の友人でSEG・東進に通っていて、東大に(余裕で)合格した人がいますが、その人は一番上のクラスの下位グループでした。
そんな入塾試験のレベルの高さを考えると、果たしてどこまで役に立つのか?、という感じもします。
ただ東大や国立医学部の合格を「確実に」したい人はこの上位クラスに入って損はないでしょう。先に述べたように講師陣のレベルは高いです。
ただし一つ注意をしておくならば、講師はちょっと(どころではなく)一癖あるようです。ここは代ゼミに似てますが、こっちは長期にわたって記憶に残るみたいです。ただ好き嫌いは分かれるでしょうね。



今回は各種予備校についてご紹介しました。辛辣なお言葉は関係者の方々にはご容赦願いたいところです。私としては受験生のためを思って正直に書いただけですので。
また今回挙げた塾は(どれだけひどいことが書かれていようと)ましな方です。名前を出さなかった他塾はもっととんでもない授業をしていたりします(逆にもっとすぐれたところも実はあるのですが、入塾が厳しすぎるため省きました。多分模試でトップ10入りしている方のところへは案内が来ているのではないですか?)。

さて、私は最初に述べたようにどこの予備校にも所属していませんでした。その代わりに予備校情報や参考書漁り、各種勉強法を調べまくったわけですが。
そうして見えてきたのは自分がいかに井の中の蛙だったのかということです。他の高校の状況などを調べてみると、自分たちといかに格が違うかを知らされました(そして危機感を覚えて必死に勉強したのですが)。
次回は有名高校として開成・灘という東西の雄についてお話したいと思います。
もし記事のupまで待てないという方は自分の模試のランクを見てください。上位に開成・灘・ラ・サール・桜蔭などなどの有名校が(まず)載っていないと思います。彼らはその上ってことです(模試受けたらトップ10は当たり前なんです)。これらの高校ではどのような授業スタイル・勉強時間がとられているのかを(簡単にですが)ご紹介したいと思います。
by zattoukoneko | 2010-01-26 10:04 | 受験関係 | Comments(0)

大学受験用参考書part. 1

よりにもよって今日も眠れないので更新してみます。

うちの高校はそろそろ修学旅行が終わる頃ですかね? 旅行から帰ってきたらもう受験期だと思ってください。もちろんまだ部活はありますが、勉強時間を増やしたり、参考書を漁って1年の計画を立てるべきではあります。
以下では難関校狙いの人向け、ということでいくつか参考書を紹介しておきます。一応うちの高校の後輩向けと思って書きますが、他校の方も利用してくださって構いません。
ただし先に注意しときますが、受験校によって問題の傾向は異なります。早めにどんな問題が出るのかを確認しておき、それに合わせた問題集選びをしてください。また、人によって向き不向きがあります。本屋さんに通って自分に会ったものを選びましょう。ここで紹介しているのはあくまで評判のいいもの、私が見て使っていいと感じたものです。
なお、私は理系だったので、どうしても理数系の方に偏ってしまいます。ご容赦ください。

ではいざ紹介に移りましょう。


◎全般
・河合塾センター模試過去問集、通称『黒本』
 数あるセンター模試の問題集の中で、この本が最も難易度としては適切かと思います。何より素晴らしいのは解説。問題のページ数より多いくらいです。内容もしっかりしていて、これを読むだけでもかなりの勉強になります。ちなみにこれをしっかりやるだけで、センターは8割取れると言われています。
 ただし注意点としては、模試を数題集めただけなので、1年分だけでは偏りが生じる可能性があること(特に範囲の広い社会科目)。できれば数年分集めたいところです。
 なお、発売は7月頃だったと思いますが、ここ10年くらいで人気が急上昇したため、もう8,9月には店頭から消えます。入手は早めに、確実に。
・Z会
 お勧めは東大コース。一科目登録しておけば、全科目の問題がもらえます(採点してくれるのは登録したもののみですが)。
 レベルは東大前期超。後期レベルにも十分匹敵します。解説も抜群で、業界随一じゃないでしょうか。(ただし相当難しいです。東大後期まで目を向けている方にお勧めします)
 他のコースは見たことがないので紹介できません……。でももしかしたらいい解説がついてるかもしれませんね。ちょっと試しにとってみてもいいかもしれません。


◎英語
 英語力を上げるには、速読・多読・シャドーイング、しか効果がないと言われています。これをすべてカバーできるのが次の参考書。
・『速読英単語』
 表題の通り、速読が目的です。文章も適切な量のものが70篇ほど入っているので、多読にも使えます。また、CDも売っていて、リスニングにも使えます。また小冊子として文法などの解説も載っていますが、これがかなり使えます。
 レベルとしては『標準編』で充分でしょう。東大レベルまで対応できます。慶応・早稲田狙いの方は『上級編』まで手を出しておくといいかもしれません。
 ただ、惜しいかな、『標準編』は文章の内容がいまいちです(上級編はきちんとした書籍・論文から持ってきているので、いい文章です)。ですので、一通り速読ができるようになったら他の問題集で練習することをお勧めします。
 それとよく間違った使い方をされるのは、単語帳として使ってしまうこと。つまり、単語のページを繰り返し見てしまうことです。確かにわからない単語をチェックするのも大事ですが、この本はあくまで速読がメインです。わからない単語があっても、それをスルーできるようになりましょう。

 次にリスニング。これはNHKの『英会話』で充分でしょう。あとは上に挙げた『速単』でいいのではないでしょうか?
 どうしても物足りない、という方には『ENGLISH JOURNAL』という月刊誌を紹介しておきます。ただしこれは留学生用。入っている内容も、「アクターズ・スタディオ」、「BBCヘルスマター」といった海外の番組です。当然スピードはネイティブ。単語も(スラングや専門用語が出てきて)わからないものがほとんどです。ただこれを出版しているアルクという会社は力があるところのようで、記事がかなり充実しています。英語の勉強方などについても書かれているので、2,3ヶ月買ってみてもいいかもしれません。

 さて、上では速読・多読・シャドーイングに焦点を当ててきましたが、高校生にはまだまだ文法や単語の勉強も必要。ということでそれらに関して取り扱った良書を紹介しときます。
 まずは文法から。
・『Forest』
 正直(分厚い)文法書には優劣がないです。一応有名なのでこれを紹介。
 ただ分厚いので精読するのは困難でしょう。文法の勉強は『速単』や長文読解の練習中に確認するくらいで充分だと思います。『Forest』などは辞書のように使うのでいいのではないでしょうか?

・『英語頻出問題集』桐原書店
 これは主に重要構文、熟語を扱ったものです。これは最重要参考書。この参考書を何回も熟読するだけでMARCHレベルは余裕で合格できます。理想は載っているものを全部覚えること。そうすれば慶応レベルにも届きます。
 なお、姉妹書として『全解説頻出英熟語問題1000』などがありますが、さすがに熟語だけで1000は覚えられないかと……。慶応の文系などではこのあたりのレベルの問題も出ますが、よっぽど英語で高得点を出したいという希望がない限り、必要はありません。

・駿台文庫 伊藤和夫先生著作
 伊藤和夫先生は大学受験英語の神とすら言われる方です。(残念ながら10年ほど前に亡くなられていますが)
 伊藤先生の影響力は凄まじく、多くの大学受験の採点の際、この人の基準が取り入れられているほどです。ですのでこの人の問題集を数冊買っておくことをお勧めします。(ただし昔の人だからか、文章が堅苦しく、厳しいので、正直イラっとします。でも我慢して読んでください)
 一応『英文和訳演習 (上級篇) 』を紹介しておきます。中級だとちょっと簡単すぎる気がするので(でも上級はいきなり難しくなるんですよね……。でも中級だとぎりぎりセンター超レベルだし、諦めるしかないか)。
 他にも長文読解や要約があったはずなんですが、Amazonでは見つけられませんでした。要約は特に東大志望の人には必須なのですが……。まあ、本屋さんで色々と探してみてください。

・『入門編 英作文のトレーニング』
 英作文についてはこれでいいと思います。中身も会話形式で読みやすく、それでいて重要項目はしっかりと抑えています。
 なお、姉妹書として『実践編』があります。が、こちらは自由英作がメインですね。受験校に自由英作のない人には必要ありませんし、英作の基本は上の入門編でばっちりなので、無理に買う必要は内科と思います。
 むしろ自由英作の場合、学校や予備校の(力のある)先生に添削してもらった方がいいでしょう。本を読むだけでは上達できない限界があります。

・『即戦英単語』
 単語力は長文などを読む中でつけていくのが一番ですが、5000~6000語を超えてくるとなかなかそれ以上にいくのは厳しい感じがします。それに受験生には時間がありませんし。
 この『即戦英単語』は大体8000語レベルのもので、TOEIC用などを除けば、一番語彙数を上げるのに役立ってくれます。しかも「即戦」というだけあって、かなり受験問題に出る単語がチョイスされています(ちなみに『速単・上級編』も語彙数としては同レベルですが、取り上げている文章が早慶に偏っているため、他校の受験や模試に使えません)。
 なお東大合格レベルの語彙数が8000語程度と言われているので、東大志望の人にはこれで十分なわけですね(ただ早慶は10000~12000語だと言われているので、そちらを希望する人は過去問などで地道に上げていくしかないです)。
 ここで受験に役立つ薀蓄を。単語などを一度覚えると、その後2週間は記憶に残っているそうです。しかしそれを過ぎると忘れてしまうとか。なので暗記物は2週間後あたりを目安にもう一度見直すといいです。そうすると記憶の定着が起こり、十年くらいは忘れなくなるそうです。


◎数学
・『解法の探求Ⅰ』、『~Ⅱ』
 大学への数学、といえば知らない受験生はいないでしょう。『解法の探求』はその増刊号です。
 Ⅰの方が数学ⅠAⅡB、Ⅱの方が数Ⅲの微積です。新旧過程の変更によって若干内容の入れ替えは行われますが、記事は毎年同じものなのでいつのものを買っても構いません。2年生のうちに購入しておき、4月までには読み終えておきましょう。
 ただ内容は分野ごとの概観・整理が目的で、正直独力で理解するのは難しいでしょう。学校や予備校の先生でも理解できてるかどうか……。相当力のある先生を頼ったり、他の参考書をいくつも見ながら内容を理解していきましょう(上で4月までに、と設定を長くしたのはそういう理由からです)。
 この参考書を使って受験し、教授になった人はかなりいるので、問題作成の場合にはこれを基準にすることが多いです。ですのでMARCH以上を狙う人は必ず目を通しておいてください。
 ただ今年からかな?、この『Ⅰ』、『Ⅱ』はなくなってしまったみたいです。入手困難ですが、頑張って手に入れてください。
 ちなみに『解法の探求 確率』というものもあります。良書ですが数Cの確率まで入っているなど、多くの人が受験に使わない分野まで入ってしまっています。余裕のある方が手に取る、というのでいいのではないでしょうか。

・『新数学演習』
 こちらも大数の増刊号です。大数本誌の最後に載っている学コンを除けば、日本で一番難しい問題集です。初見で3割解ければ理Ⅲ合格とすら言われています(ちなみに私は1割にも及びませんでしたorz)。
 ただ難しい分良問も載っています(見抜くのが大変ですが)。勉強になるので、力試しをしたい人にお勧めです。
 なお、こちらが難しすぎたせいか、『新数学スタンダード演習』というのも増刊号で出るようになりました。こちらもなかなかの良問なのですが……難易度としてはMARCHよりずっと上。けれど旧帝大、早慶レベルには到底届かない。ようは使いどころのない難しさになってしまったわけですね。とりあえずMARCH合格を確実にしたいとか、早慶レベルはまだまだ先なんだけど、って人には使えるかもしれません。ですがそれでもざっと見るくらいでしょうね。

・『1対1対応』シリーズ
 同じく大学への数学の東京出版さんの問題集になります。MARCHレベルならここに載っている問題の解法を暗記するだけでOK。模範解答も丁寧に作られていて、じっくり研究すれば早慶、旧帝大クラスにも対応できます(特に記述問題の参考として重宝)。
 この本は高1から存分に使えます。早めにやっておいて損は全くなし。
 ただし残念ながら、良問ばかりとは限りません。特に新課程になってからは問題数が増やされ、いい問題を見抜くのが大変です。コツとしては模試などで似たような問題が出たらチェックしておくこと。それが良問ということです。これを繰り返していけば暗記する問題数が減らせ、さらには問題の背景が見えてきて、数学の体系的な理解へと繋がります。
 かなり重宝するので購入しておくのが得策です。

・『微積分/基礎の極意』
 ……なんか東京出版さんの回し者のような気がしてきました。
 こちらは数Ⅲの微積分を扱ったものとなります。第1部が極限・微分・積分の計算練習です。ここは完璧にしておきたいですね。第2部が極限・微積の詳細な話。これは大学生でも理解しきれないので、必要があったら辞書のように使うのがいいでしょう。第3部は有名頻出問題を集めたもの。頻出ということは、その背景に重要な数学の背景やテクニックが潜んでいるということ。難関校狙いの人はqじっくり研究して損はありません(ただし模範解答が短いので、わからないところは第2部や大学の参考書を見て埋める必要があります。理想はA4の紙一枚の分量まで自分で増やして解答を作ってみること。A4の紙一枚というのは東大の受験の際に使う解答用紙の大きさです)。
 なお、他にも東京出版さんからは『マスター・オブ・整数』などが出ていますが、こちらは「ここまでは必要ないだろ」という感じです。そもそも受験においては微積分の比重の方が圧倒的に大きいわけですからね。

・『細野真宏の~が面白いほどわかる本』シリーズ
 旧課程のものですが内容としては十分今でも通じるので、今の受験生でも使えると思います。
 文章は語り口調で、わかりやすいです。問題もそこそこのレベルなのでやりやすいでしょう。数学が苦手な方でも始められます。
 ただ全部で10冊くらいあったと思います。当然ですが1冊に1ヶ月とかかけられるわけがありません。特に理系の人はこの程度のレベルで止まっていては難関校は狙えないので、せめて1冊1週間以内で読んでしまいましょう。問題もじっくり解く必要はありません。問題文を読んで、ざっと解答の流れを思い浮かべたら模範解答を見てチェックしてしまいましょう。じっくり取り組む問題は上記の参考書に載っています。
(注意:このシリーズには教科書に合わせて作った、すなわち受験向けでないものも存在します。そっちは無駄なので気をつけてください)

・ついでなので良くない参考書
 ずばり『チャート式』です。とても人気のある本ですが、実は難関校を目指す人には使ってもらいたくありません。
 人気があるのは、一問一問ポイントが明記されているため。なのですぐにわかった気になるし、学校の定期テストなどでは好成績を収められます。
 しかしポイントが書いてあるということは、その問題について熟考する力を削ぐことに繋がります。上で少し述べてありますが、難関校は数学の背景を基にして問題作成をしていたり、思考力を問うことtが多いです(特に東大では考える力のある人を欲しています)。ですのでチャート式は難関校を目指す人には逆効果です。
 実際、「早慶以上の受験会場で、チャート式を見ている人は落ちる人」とさえ言われています。
 参考書選びの際には、「人気があるから」、「一杯積んであるから」、よりも「自分の志望校の求めているものに会っているかどうか」を優先してください。
(でも一応チャート式のフォロー。作っている人は力のある人だと思います。良問も多いし、所々にいい解説が載っています。でもあの分量の中からそれを探すのは大変ですね。『解探』などを読んでいて、わからないところがあったら辞書のように使うのがベストでしょうね)


◎国語
・センター試験対策国語 (即戦ゼミ―センター試験)
(多分これであっていると思うのですが……。間違っていたらいけないので、可能なら本屋さんで確認してください)
 この本のすごいところは解説の徹底しているところです。中を実際に見てほしいのですが、文章に赤線や矢印がぎっしり。その文章がどういう構成で成り立っているのかがとてもよくわかります。国語の参考書としては、これが日本一じゃないでしょうか?
 ただ近年は出版されていないようなので、昔のを使うか、あるいはもしかしたら別タイトルになっているかもしれないので、桐原の国語、で探してみてください。

・『標準古文単語650』
(ごめんなさい、古文の文法書はなんだったか忘れてしまいました)
 とてもシンプルな単語帳ですが、語彙数もその受験での使用頻度も多いので私はこれを勧めておきます。
 最近は「マドンナ式」とか凝ったものも出ていますが、私には合いませんでした。
 なお、この単語帳は650語となっていますが、センターはともかく、文系で難関私立を狙うには少ない量です。文系の人は実際に古典を読んでいくことをお勧めします。有名文学は受験者向けに安価な値段で売っていますので。

・『頻出漢文のルール』
 この本は『基礎知識編』『基本句形編』『漢詩編』『語彙編』から成ります。ほぼ漢文の全てを網羅しているわけですね。
 私の感想としては、これ一冊で難関校も十分戦えるんじゃないか?、という感じです。全部覚えるのは理系には辛いですけどね……。
by zattoukoneko | 2009-10-20 16:04 | 受験関係 | Comments(0)

大学受験用参考書part. 2

(記事が長すぎるらしいので2分割です)

◎物理
(物理に限らず、理科科目はしっかりとした参考書がないという状態がずっと続いています。模試や過去問、Z会を参考にして知識を埋めていくしかないと思います)
・全体を通じての参考書、シグマ式?
 私の感想としてはこれくらいしかないかなあ、という感じです。けれどシグマ式も教科書レベルを多少超えたかな?、ぐらいなので難関校受験には通用しません。
 お勧めとしては、河合か駿台の夏期講習あたりの東大コースに入ることですかね。そうすれば微積を使ってニュートン力学なんかを教えてもらえるので、体系だった理解に繋がると思います。

・『挑む50題』
 SEGが出している問題集で、姉妹書として『闘う50題』(数学)などもあります。
 ただ収録しているのが難関校ばかりで、しかも、本番では切ったほうがいいんじゃあ?、と思うようなレベルです。けれどこれより難易度を下げると、急にMARCHレベルすら危うい?、になってしまいます。
 誰か中間の問題集を作って!


◎化学
・『化学Ⅰ・Ⅱの新研究』
 化学の参考書としては、今簡単に手に入るものとしてはこれが一番でしょう。ただし本気で難関校に受かりたい人向けです。ページ数は700強あり、全部を理解するには熟読するしかありません。内容も(高校生向けになっていますが)大学3,4年生レベルを超えるでしょう。ちなみに私は1ページ読むのに1時間かかりました。
 その代わり、全部理解できれば早慶の化学で満点なんて余裕です。また東大志望の方は、できうるかぎり半反応式、無機、有機の反応式を覚えておくといいでしょう。東大は記述量の割りに時間がかなり短いです。時間内に終わらせるためには、問題を読んだ瞬間に答えが思いつくことが必要です。ですので反応式や触媒などはできる限り覚えましょう。ただし200はゆうに超えると覚悟しておいてください。
 またこの本には間違いが結構あります(まあ、そんなこと言ったら教科書なんて間違い・嘘ばっかりですが)。決定的な間違いではないので受験に影響することはまずないですが、本質の部分で誤解を生むことがあるので、化学で全国のトップクラスになりたいとか、化学系の研究者になりたい、という人は注意深く読んでください。またこの参考書では高校の課程に合わせて原子軌道で説明を行っていますが、大学に入ると分子軌道を教わったり、量子論での説明になったりするので、その際は知識の入れ替えを順次行っていきましょう。
 なお、この本には問題集もありますが、そちらは間違いだらけなのでお勧めしません。

・『実戦化学1・2重要問題集』
 化学の問題集としてはこれくらいですかねえ。化学も物理と同じで、超難問とやや難問の間がないのです。
 この本はほぼ全部解けるようになればMARCHレベルには届きます。しかし慶応クラスだと3割すら取れません。
 対策としては、化学には上の『新研究』があるのでそれを熟読すること、あとは物理と同じく模試や過去問で実践を積むことです。


◎生物
・『生物I・II入門 (駿台受験シリーズ) 』
 とてもわかりやすく、よくまとめられている本です。
 しかし「入門」と書いてあることからわかる通り、内容は平易です。また薄い本でもあります。体系だった理解を得るには最適ですが、このままではセンター高得点も危ういです。
 そこで、資料集やもっと詳しい参考書(大学生向けでも可)を辞書代わりに使い、この本を書き込みで真っ黒になるまで使い込みましょう。そうすれば読み終わる頃には相当な力がついているはずです。

・『生物1B・2標準問題精講』
 「標準」なんて書いてありますが、記載されている知識量は東大レベルを超えます。
 問題はやらなくていいと思います。重要なのは見開きの右側に書いてある知識のところ。これをひたすら暗記していけば、どんな問題が出てきても心配はないです。
 ただし知識は知識。そのままでは東大のような記述式の問題には対応できません。上の参考書などを使って体系的な理解と結び付けていくことを忘れずに。

・『生物考える問題100選』
 一応の紹介という感じです。
 タイトル通り「考える」問題が揃っています。考える、ということは体系的な理解があるかどうか試されているとも言えます。なので力試しにはいいと思います。
 ただ難点は、どこの大学を想定しているのかわからない、ということ。
 理系で生物受験できるところというと、中堅の私立か東大くらい。しかし私立はほとんどが穴埋め形式で「考える」力は必要なし。東大は数ページにわたる長文を読ませての記述解答。しかしながらこの本に掲載されている問題は、長文のものでも文庫サイズに1ページ。東大とは異なります。
 つまり目標として該当する大学が存在しないということ。ですので無理して使う必要はありません。まあ、受験勉強が早く終わってしまった人は少しやってみてもいいかもしれませんね。

・資料集
 基本的には学校で配布されるものを使うのでいいと思います。
 この資料集というもの、なかなか侮れません。実は受験問題の多くがここから出題されているのです。
 資料集はただそのまま見ているだけだと知識の羅列ですが、きちんと背景があって載せられています。問題作成者が見たいのはそういう背景まで理解する力があるかどうか、またはすでに知識として持っているか。そのため資料集から問題が作られることが多いのです。
 生物の資料集は特に教科書と関係のないようなことがたくさん載っています。しかしこれを上記の参考書などを使いながら体系立てられれば鬼に金棒。どんな問題が来てもひるむことはありません。
 ですので時間があいたり、気になったときは資料集をめくる癖をつけてください。相当力になりますよ。

・『Newton』
 言わずと知れた有名科学雑誌です。生物に限らず、知識や理解を深めるには最適です。
 ただ生物の項で紹介しているのは、物理関係は高校の範囲を超えることが多いからです。一方生物は、多少高校の範囲を超えますが、十分理解できるレベルに収まっています。ですので、生物で難関校を受験する人は見ておいて損はないでしょう。
 ただ『Newton』は中高生向けという感が強く、ちょくちょく小さな間違いがあります。ですので大学生になってまで読み続けるというのは変な感じですね。中学、高校の頃に読んでおいて興味を持ち、大学に入ったら専門書を読む、というのがいいのではないでしょうか?


◎社会
 申し訳ないですが、社会は門外漢です。歴史とかきちんと勉強し始めたのは大学に入ってからなので。とりあえず知っているものだけ挙げておきます。

・『詳説世界史研究』
 世界史の通史です。高校生でも使えると思いますが、若干細かいかな?

・山川出版 用語集
 これは世界史、日本史、地理、政治経済、現代社会、倫理とすべて揃っています。ただ用語集というだけあって、完全に知識偏重です。文系の人は必須だと思いますが、理系の人は特には必要ないでしょう。『黒本』やるだけでセンターは十分乗り越えられます。

・岩波新書など
 私の文系の先輩はよく読んでいました。社会は常にトップクラスの成績だったので効果があるのだと思います。他にも歴史小説とか好きだと強いみたいですね。
 文系の人は本を読んで当たり前なので、読書習慣を早めにつくっておきましょう。できれば一日に一冊。夏休みなどでは一ヶ月に100冊くらいは読んでおきたいものです(というか大学入ったら文系の人はそれが当たり前なので)。



えー、長くなりました。ぱっと思いつく限りではこんな感じですかね。受験を控えている方は何かの参考にしてください。
ただ、あくまでも選ぶのは最終的には自分です。人には向き不向きがあります(例えば語呂あわせが得意な人には、上記の単語帳は辛いでしょうね)。できるだけ本屋に足を運び、実際に本を手にとってみて選ぶことをお勧めします。
――と言ってもなかなか最初は難しいものですよね。そこでアドバイス。
◎オマケ
・難しい知識が入っている参考書はいい参考書。
 本屋に行く前にすでに難しい用語を知っておきましょう。例えば数学なら「傘型分割」、化学なら「混成軌道」といった感じです。そういう難しい概念をきちんと取り扱っている参考書は詳しい参考書な可能性が高いです。ただし、詳しすぎたり、たまたまそれだけ載ってた、なんてこともあるので注意。

・表紙が丈夫なものは熟読する参考書。
 ハードカバーや、表紙が布のような丈夫な素材でできている場合、それは何度も繰り返し読まれることを想定して作られていることがあります。たとえば『大数』や『新研究』は丈夫にできています。これは何度も開け、という意味です。ですので、表紙の素材で見当をつけるのもありです。
 ただし、出版社からすでにどういう装丁にするか決められていたり、売れないのを見越してハードカバーにし、値段を吊り上げるという場合もあります。ですのでこの方法はインスピレーションとして使う、くらいに思っておいてください。買う前にはきちんと中身を見て。


…………ほんとに長くなりました。
書き始めたのが5時前だから……10時間経ってる……。
あとは紹介した本のリンクを張っておきましょう。では、おやすみなさい。



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ついでにZ会などへのリンクも。
Z会
東京出版
Newton
岩波書店
by zattoukoneko | 2009-10-20 16:03 | 受験関係 | Comments(2)