方程式を見つけた八百屋さん

魚屋だったかもしれません(ぇ
これはちょっとした「お話」で、次のような内容になります。

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昔、小学校を出て家業の八百屋を継いだおじいさんがいました。
おじいさんは収支の計算を何十年も続けるうちに、ふとあることに気付きます。
自分の発見は素晴らしいと思ったそのおじいさんは、それを整理し、ついに大学の数学教授に成果を見せに行くことにしました。
八「求めたい値を甲と書き、等号で式を作ります。この後数を左右で入れ替えることで、甲の値を求めることができるんです」
教「すごいですね。これをお独りで発見されたんですか?」
八「はい、そうです」
おじいさんは数学史上に残る大発見をしたと思っていました。さぞや立派な賞をもらえるに違いないと期待していました。
数学教授が、おじいさんに“教え”ます。
教「これは方程式と呼ばれ、16世紀頃に成立したと考えられています。未知数はxで置くのが一般的ですね。今では中学校で教えられているものです」

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当然ですけど、おじいさんは何も賞はもらえませんねー。
一見するとダメなおじいさんですが、私が聞いたものには後日談があり。
教授に出会ったことで数学の面白さに目覚め、大学の授業に参加することを認められます。そして中高に通っていないことや、年齢を感じさせない早さで内容を習得していったとか。

様々な捉え方ができる深い話だと私は思っていて、中学三年生~高校一、二年生を対象に使わせてもらうこともあります。
ストレートな受け取り方をすると「中高の勉強は大事!」になるのかな。
もう少しひねると「先人はすでに多くの業績を生んでいるから、まずは学びに行こう」となる気がします。年齢重ねると、自分でうだうだと考えてしまって、他人に聞くことをしなくなりがちですし。
だたもう一つの捉え方も重要だと思っていて、それは「そもそも考えることをしていなかったら、はたしてこのおじいさんは数学を学び取ることができただろうか?」というもの。これは後日談まで含めるとより実感が湧くし、教授の「すごいですね」という言葉も皮肉ではないとわかる。授業に参加しているだけで成績が伸びるなら、誰も苦労しませんからね。

どのような捉え方をするか、重きを置くかは、聞いた人の資質に拠る気がします。ただ学ぶ姿勢を考える上で、とても面白い話だと思っていて、だから私は中高生相手に披露しています(私自身、最初に聞いたのがその頃だったというのもありますが)。
上記した以外の捉え方もできるかと思います。小話として使うのもありかもしれませんね。時には「方程式ってなんだっけ?」と返ってくることもありますし(いや、ホントに)。
by zattoukoneko | 2013-05-11 10:38 | 受験関係 | Comments(0)