『好き好き大好き、だから嫌い』キャラクターノート

第8回電撃掌編王・最優秀作品賞『好き好き大好き、だから嫌い』のキャラクター設定および世界観などについてです。

本当はノートに書いてあるのですが、手書きなのとそもそもそのノートが本の山の奥深くに沈んでいますので(←片付けろ)、記憶を頼りに改めて書いていきます。
その代わりといっては何ですが、注目ポイントだと思うところに解説でもつけておきます。



えっと本当なら“ツンデレ”ヒロインのほうから書いていくべきだと思うのですが、あえてもう一人の方からいきます(意味はそこでわかりますw)。

主人公
名前:絹塚(きぬづか) 下の名前は未定(ここは文字数上書けないと踏んだので)
年齢:14歳、クラスは2-A。
家族構成:姉が一人。
これの数ヶ月前に書いていた作品に出てくる絹塚恵という人物が姉。
(この作品中ではわからないですけど、一応自然魔術が現代まで残り科学/技術と競争したり共存を試みたりしているという世界になっています。魔術科は高校からあり、中学までは私たちの世界と同じような教育を受けます。ですのでこの作品にそのまま流用させました)
性別:女(これは最後にわかりますね)
一人称:ボク(理由は後述)
身長:158-162cm(女の子としては高めに設定。自分の中でも男だと思い込んで書いていけるようにこの値に。また湊よりも高いです。読み手も湊より背が高いだろうなと印象を持ってくれていたら私の勝ちですねw あ、ちなみに姉の恵は170あります)
髪型:ロング・肩よりずっと下まで(ここは授業の際に髪の毛を引っ張られるところで使ってます。後ろの席から簡単に手が届くので、やはりこのくらいの長さは必要かと。場面を想像してくれた人には伏線として働くように意識してます)
制服:上は特に指定なし(一応ブレザーをイメージ)。下はチェック柄のスカート。色の描写はしないこと、とプロットにありましたのでこれも設定なしです(これについても後述)。
性格:姉が結構派手な性格なので、こちらは大人しめです。また姉の恵が気が強いくせにやたらと少女趣味(というか魔女っ娘が大好き)なので、それに反発してか「ボク」と自分のことを言うようになりました。ただしただ言うことを聞くだけの気の弱い人間ではなく、芯の強い部分もあります。ですので湊(および姉の恵)に強く当たられても結構平気です。むしろ相手のことを理解しようという広い心の持ち主ともいえます。


“ツンデレ”ヒロイン
名前:湊(みなと) 名字は指定なし、また下の名前も一文字とすることと決めてありました。これは文字数の制限があるため。ただし語感から音が三つ入るようにと考えました。
年齢、クラス:14歳、2-A。当然主人公の絹塚と同じです。
家族構成:両親との三人暮らし。ただし親との関係は良好とは言えず(悪いとも言わないのですが)。ここは作者の私自身が把握しきれてないですが、彼女の短気な性格(下記参照)はある程度元々持って生まれたもので、そこに親との精神的な距離が離れていた環境で育ったことでさらに強調されたのだと思っています。ここは進化学の研究から「性格は育ってきた環境に大きく影響されながらも、遺伝要素もある」というものを使ってます。
性別:女(一応男版ツンデレという話の案もありましたけど、さすがにここはかわいさを優先でw)
一人称:私(これは文字数制限のため。私が掌編応募をするときはほぼすべて「私」にさせています)
身長:153前後。あまり低すぎず、かといって高すぎないライン。また年齢を考慮してこの数字に。
髪型:セミロング。色は茶。髪の長さは絹塚とかぶらないように、でも最初のシーンで回し蹴りをすることは決めていたので、そこで一緒に広がるような長さに設定(結局この描写は文字数のために削られていますが)。色に関してはイチョウと合うように(これも改めて後述します)。
性格:非常に感受性の高い女の子。しかし短絡的で、自分の心を素直に受け止めることができない。そのため(元々の短気と重なって)いつもイライラとしている。また自分では自身の心を受け止められないものの、いざというときは体の動きが先に出る。ここの反応はきわめて早い。これは最初の回し蹴りのシーン。髪の毛を引っ張るところで少し示しておき、車に轢かれそうになった猫を助けるために車道に飛び出すところで結びつくようになっています。そしてここが重要なポイント――この子は『ツンデレではない』となっています。上記の理由から素直になれない子です。そしてこの子は今後もこれは直らないでしょう。それだけ根深いものですから。ですのでツンデレではありません。ただしツンデレのように見えるような行動を“絹塚視点”だととっています。また最後に「彼女は自分の心に素直になれば、きっととても愛らしい子になる」とあるのはあくまで絹塚の感想です。それに絹塚自身もこれを確信しているなんてことは言っていないはずです。ここはプロットの上で厳しく指定されています。



以上がメインの二人ですが――
ちゃっかり先生とか猫とかにも設定あります(笑) 一応書いときましょうか。

先生
名前:指定なし
年齢:22歳(冬に23になります) ようは大学卒業してすぐに先生です。
担当科目:数学
性別:男
服装:一応指定がありますが、ここは作中には明記しないこととプロットで指定がありましたし、ここでも明記することは避けます。
性格:大学はとりあえず行ったという感じ。出身はそれなりの有名大学。しかしやりたいことも見つからず、とりあえず周囲のすすめで教職免許を取得。そして勉強も大してやる気もなかったので理系(学部・学科は未定。ただし数学科ではないです)にもかかわらず院へは進まず。つまりは流されるだけの人間です。なので教師という職業にやりがいも感じてないですし、特にやる気があるわけでもないです。ですので湊みたいな子ににらまれればすぐに引っ込みますし、動揺をごまかすためにいきなり板書を消したりしちゃいます。


名前:あちこちで色々な名前あり。ようは野良猫。
色や模様:三毛。色は薄い茶色が多め(理由は後述)
性格:非常に人懐っこいです。また作品中ではちょうど人恋しい感じなのでしょうね(これは特に指定なしですが、あえて言うなら「秋だから」でしょうか。別に発情期でもいいんですけど、それだと雰囲気がぶち壊しにw)。

あと一応動物病院の医師にも少しだけ設定があって、とても動物を大事にしてくれる人、ですね。なのでメインの二人が駆け込めばすぐに対応してくれますし、とてもよく診断・治療をします。泣いてる湊なんかにも特に何も言わないですし、お金もこの人はとらないです。(世の動物病院の人見習ってー!)

登場キャラの性格についてはこのくらいですかね。もう少し細かいとこまでありますが(血液型や誕生日、制服のスカートの長さや靴下についてなど)、特に記述がないので省略。でもある程度はイメージできるのかなあ? へたり込んでる湊が手を伸ばして手が届くスカートの長さとか想像してもらえればいいのかと。


さて現在までで2800字越えました。すでに本編を軽くオーバー(苦笑) でもまだ終わらないです。

次、世界設定。
上記のようにこの世界では自然魔術というものが存在しています。ただしそれは“魔法”ではないので注意。一言でいえば自然魔術とは昔の科学です。だから色々と理論がありますし、人為魔術でもないです(一応この世界では人為魔術も認められていますが、威力が弱いので使われることがありません)。というわけでぱっと見、私たちの住んでいる世界と変わらない風景になっています。ただし「イチョウの葉っぱが~」とか「黒板から落ちる白い粉は~」という表現はこの自然魔術の遠隔作用によるものです。一応プロット上では別の意味を持つようにと指定がありますから、ここはどうでもいいことではありますが。
小中は私たちとほとんど同じ教育課程を経ますし、教わることも大体一緒。
高校からは魔術科という専門学科が存在します(また職人として魔術アイテム製作に携わる人も多少います)。ただし魔術科はレベルが半端なく高い上に、学費もとんでもない値段なのでいける人は限られてます。イメージとしては中学生が東大に入るものだと思ってくれればよいかと。当然のことながら全学生のうち数%しか魔術科には進みません(一応一つの県に数校程度には魔術科があるので割合としてはこんな感じです)。
また高校の上には一般的な大学の他に、魔術科を含んだ大学と、魔術研究院というのが存在。前二つは私たちのイメージするuniversityですが、魔術研究院は大学、大学院、研究所がごちゃ混ぜになったようなもので別格。魔術師の中でも選ばれた人間しか入学を許可されません。倍率は数千倍~一万倍程度。
主人公の絹塚や湊は特別魔術師を目指してるわけではないです(絹塚姉が魔術科に行ってますから、それなりに優秀だとは思います。少なくとも人としてはよい人たちだと考えて書いてます)。
世界設定についてはこんな感じですかね。自然魔術の説明とか入れてたら別の話になるのでここらで止めましょう。

これでラストかな。テーマカラー。
一応作品ごとにカラー設定をしています。今回は黄色。
理由は単純明快で、秋だから。これはお題で決められてたのでそれに従いました。
モミジの紅でもよかったんですが――モミジだけの町ってまずないだろうというのと、赤系統だと色が強すぎてキャラクターの細かい心が浮き出てこなくなってしまうのではないかという判断から黄色を選択。
さてこの「黄」が作品のカラーなので全部これにしたがってもらって、違和感のない色でほぼ統一してます。
イチョウはそのままですね。一番使いやすく、明確に印象付けられるので、物語の頭から入れていって読み手に植えつけさせてもらいました。
湊の髪の茶や、猫が薄い三毛なのもテーマカラーと合うように。スカートの色指定をしていないのは、チェックだとどうしてもいくつかの色が混ざってしまって浮く危険性を感じたから(いくつか案は出してるのですけど)。また単色のスカートだと服装とかにあまり言及できない今作では可愛らしさが足りなくなると判断しました。でも結局文字数の制限から削ってるんですよねえ……。読み手のイメージの中で何とか再現できないかと試みてはみましたけど、この文字数削ってる時点で加筆はもう限界なので大したことはできなかったです。ちょっと悔やまれますね。



こんな感じでしょうか? 現在4200字。
説明つきでやってはいますが、省いているところやプロットと結びついているところもあるので量的にはそんなに大幅に増えてるわけじゃないと思います(確かノートの見開きにごっちゃりとあって、そこに足りなくて先生とか猫とかは次のページにあるので。確かノート一ページに行がえなしで書いていくと1000字くらいだと思ったので、全体で3000字くらいですか? あ、でも世界観とかはまた別に考えてるのか。他作品からの流用だし)。

これとは別にプロットがあります。プロットも復元しなきゃいけないので、お見せするのは最終案ですね。そこに至るまでのプロットは上書きしたり破棄したり、そもそも紙に書かないで頭の中で組み立てたりするのでちょっと説明しにくいです。
ということで次にプロット公開いきます。今回結構プロットにも触れたので――4000字はやっぱり超えるのかなあ……。
by zattoukoneko | 2010-06-13 11:29 | 作品品評 | Comments(0)