有名私立の内部事情

日付が変わりましたので忘れないうちに次の記事をup。


さて、模試の結果を見てみましたでしょうか? 灘や開成といった上位校の名前はトップ100に載っていなかったと思います。(まれに一人、二人名前が載っていたりしますが、これはこれらの学校の落ちこぼれだそうです。名前を出したくて受験するみたいですね)
これの理由としては(どうやら関西には全国・関東模試とは別のものがあるからというのもあるらしい?のですが)、「模試なんて受ける時間があるなら自分の勉強に回した方がいい」という考えがあるようです。彼らにとっては模試で満点近くを取るのは当たり前のことなので。

今回紹介します開成や灘に関しては、私の友人らや各種学校・予備校の先生方から入手した情報をもとにしています。また開成については私の教わった大学の先生が開成出身、かつ一時期開成の先生をしていたという経歴を持っていましたので、その人から色々とお話をお聞きしました。それなりに信頼のおけるソースかと思われます。


まずは開成からいってみたいと思います。
開成は先に述べたように模試を受けてこないわけですが、これには「自分の勉強の方が」という以外にも理由があります。それは開成には独自の実力テスト(正式名称は忘れました)があるからです。
このテストのレベルは東大入試試験レベルと同等。つまりこのテストでいい成績を取っていれば東大合格がほぼ確定というわけです。
こんな優秀なテストがあるものですから、別に多額のお金を払って予備校の模試を受ける必要性を感じないというわけです。
また試験繋がりでいいますと、開成のテストは先生方がオリジナルでつくるそうです。先に述べた開成の先生をやっていた方の体験談ですが、その人はあるとき時間がなくて参考書から問題を抜粋して試験をつくったことがあるそうです。その結果、生徒の成績は9割以上が100点。数人が一問ミスくらいという結果になったそうです。これは開成の学生らが優秀だったということももちろんありますが、もちろんそれだけではほとんどの生徒が満点をとるわけがないです。理由は簡明で、本屋で手に入るような参考書は「全部」目を通していて当たり前なのだそうです。開成に受かってくるレベルの人たちは一読すればその本の内容を丸暗記できるような人たちなので、先生がうっかり参考書から問題を抜粋してくれば、それはもう知っている問題ということです。ですので9割以上が満点という事態になったようです(だからこそ先生方はオリジナルの試験をつくるように言われているのですが)。


次に灘についてです。
ちなみにみなさんは勉強時間はどのくらいでしょうか? 一日3~4時間やっていると優秀な方に入れられるのが大抵の高校です。ですが本当はそれではとても足りないのです。
実はやるべき勉強時間には(文科省による)決まりがあります。(高校では気にしないと思いますが)単位を取得する場合、まず必要な時間だけの授業を受ける必要があります。それに加えて、授業の時間の二倍の自学習をしなければならない、とされています。つまり一コマ60分の授業を受けていれば、それに対して自学習で120分の勉強をしなければならないということです。(なお実験などはちょっと異なりますが、今回は触れません)
しかし一日六時限あるとしましょう。すると60分×6コマで、6時間の授業があるということになります。すると自学習は12時間。土日が休みだとしてもこれだけの勉強時間をこなすのは無理ってな話です。
そこで(まだ昭和のころの話ですが)先生方が集まり、これに関して検討を行ったことがあります。その結果、一日5時間の勉強時間があれば授業の内容をマスターできるのではないかとされました(現在ではさらに短くなって3時間という先生も出てきたようですが)。ですので上で述べた、一日平均5時間、という勉強時間の基準はここからきているわけです。
しかしこの文科省の決まりは昔の人たちは当たり前のようにこなしていました。今受験生の人たちから見れば祖父母の代ということになるのでしょうか? 実際この年代の人たちの学力はとんでもないです(そもそも現在の教科書と昔の教科書を比べてみるとそのレベルが違いますが)。次のは私の高校の先生が三者面談で経験した話。
 父親「いやー、やはりこの歳になると受験問題は解けなくなるものですね。去年のセンター試験をやってみましたが、700点しか取れませんでしたよ」
とおっしゃっていたそうです。ちなみにこの人は東北大出身。先生は慌てて「昔の東北大と今の東北大とではレベルが違いますよ」とフォローしたそうですが(生徒がセンター600に届かなかったですからね)。
さてこの一日の平均勉強時間が12時間というのは、昔の人たちにとっては当たり前でしたが、今の中高生には難しい話です。ですが灘だけはこれを遵守している高校です。
灘高生の平均勉強時間は13時間(ちなみに1年生)とも言われています。当然ですが授業や予備校での勉強時間は抜かします。また彼らの多くは部活動もやっています(灘は部活の業績も優秀なんですよね)。
もちろん平日に12~3時間の勉強時間は(物理的に)とれるわけないのですが、その分は休日に埋めます。日曜なんかの勉強時間は20時間を超える人も沢山いるそうです。
また灘(だけではなく関西有名高校)の生徒の多くは数学オリンピックの経験者でもあります。関西の有名高の生徒は東大なんか狙いません。彼らの目標は京大です。ですから東大と京大の数学の試験を見比べてみるとわかりますが、京大の方が圧倒的に難しいです。ですが合格者の得点率は京大の方が高いです(東大は6問中3完すれば受かると言われますが、京大では8割以上が目標です)。
なお関東と関西で大雑把に分けてみると、関西の学生の方が圧倒的に優秀です。灘やラ・サール出身の人と話したことがありますが、正直化け物ですね。何故だかはわかりませんが、関西には天才肌の人たちが多くいるようです。
ちなみに上のような関東。関西のレベルの差があってか、関西地区の人たちは東大なんかは受けてこないです(関東地区の人たちにはありがたいことです)。彼らは東大よりも京大を目指します。(ただし慶応や早稲田を受けにくる生徒さんは結構いるみたいですが)
ただ灘だけは異なっており、成績優秀者は東大理Ⅲを受験することが(ほぼ)義務付けられるそうです。そのため理Ⅲにおける灘出身の人の占める割合が高いわけですね。(ただ義務で受けているために、医者を希望していないのに理Ⅲに入ってしまったと悔やんでいる方がかなりいるようですが)


上では東西の雄として開成と灘をご紹介しました。しかし他にも関東には桜蔭があったり、関西にはラ・サールがあったりします。今回は触れませんでしたが、事情はあまり変わらないようです。
なお東大合格「率」(数ではない)だけでみると筑波大付属駒場が全国で一番高いですし、受験の難易度も開成より上ですが(というか一次試験がくじ引きというのが恐ろしいですが)、開成と筑駒のトップを比べてみると開成出身の人の方が頭がいい感じがしました。確かに筑駒出身の人は知識量は半端ないですが、思考力という面では開成の方が高いみたいです。実際筑駒出身で東大に入った方はその後伸び悩んでいる感があります(もちろん人によりますよ)。そのためか、いくら合格率が高かろうと、関東の雄はあくまでも開成で、筑駒とは言われないみたいです。


最後にオマケ(と言っては失礼ですが)として慶応中・高について。
慶応は非常にエリート意識の強い学校です(この辺は東大・慶応・早稲田と学生の特色を比べてみると面白いのですが)。そして大学では学部によって階級が存在します。
一番上の学部は法学・医学です。一番下は船舶だったかな? 慶応の生徒さんに聞くと上位学部からの差別意識は相当強いみたいです(当然人によります)。
これには理由があります。慶応は中学・高校から大学へとストレートで入れるわけですが、当たり前のように自分の希望が優先されるわけではありません。(ちょっと正確なことは忘れましたが)高校の最後の方に試験があります。それとそれまでの成績を総合して、進学できる学部というのが振り分けられます。
当然優秀者は法学部や医学部に進学するわけですが、残念ながら慶応中なんかに受かってきた生徒は勉強しなくなります(私も個別指導で担当したことがありますが、相当ひどいものです)。彼らはもう受験する必要がなく、慶応に入れるのは確定ですから、勉強なんてする気にならないようです。また慶応中に入った時点でそもそもの学力が高いので、別に自分の勉強時間をとる必要性も感じないようです。そのため高校課程修了時には学力がかなり落ちてしまっている。そのため彼らは船舶のような下の学部にばかり振り分けられます。
そうした理由から大学から慶応(の上位学部)に入った人からは差別の目で見られます。自分たちの方が圧倒的に優秀ですから。また中高から法学・医学に入った人たちは、こちらは勉強をきちんとしてきた人たちで、元々の優秀さもあって尊敬の目で見られます。こうした、まるで西欧諸国のような階級意識のあるのが慶応です。
ただ慶応中から上がってきた人たちは、たとえ自分たちが下位の学部に振り分けられようと、「慶応生」というブランド意識をとても強く持っているようで、そのためずっとエリート意識を持っています。他の大学の生徒よりずっと優秀だと思っているのですね(実際はそんなことないのでうが)。
しかしながら慶応(および早稲田)はやはりブランドなので、就職はしやすいのですね。そのせいかこのエリート意識は抜けてくれないみたいです。(ちなみに早慶の就職率が高いのは、ブランド、というのももちろんありますが、現在の多くの企業の社長や重役が早慶出身だからと理由があるみたいです。昔の早慶出身者が頑張って起業したのですね。その人たちからすれば同郷の人たちなので、優先的に入れたくなるみたいです)


さてはて慶応はさておき、開成・灘の実情を聞いてみると他の高校に通う受験生は相当焦るのではないでしょうか? 難関校を目指す人たちはこういうレベルの人たちと競うわけです。今現在やこれまでの中高での勉強量を振り返ってみて、彼らとの差がどのくらいあいていることか。そしてそれを埋めるにはどれだけ勉強しなければいけないのかを考えてみるべきかと思います。
ちなみに私自身は(灘には及びませんでしたが)こうした実情を知った後勉強時間を増やし、高三の春には平均で勉強時間が10時間弱でした。それを正直に高校の先生に話したら信じてもらえませんでしたけどね。あと本屋に並んでいる参考書は全部目を通しました。大学の参考書も何冊か手にとりましたね。開成の生徒のように丸暗記なんてとてもできませんでしたが……。
これから受験勉強に入る方は早め早めに自分と他校との差を自覚し、計画を練った方がいいです。というか今の時期から始めてないととてもではないですが1年後に間に合いません。

さあ今回はこのくらいにします。他にも受験生には「ブレイクスルー」とか色々とアドバイスできることはありますが、今回の高校の紹介とは外れるので省きます。今後も書く予定は立てていないので、自分で調べてください。まあ、要望があったら惜しみなく書きますけど。
次回は日本における有罪の確定率でしたね。細かいデータを忘れたので調べなおさなきゃなあ……。
by zattoukoneko | 2010-01-27 00:37 | 受験関係 | Comments(0)