『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズ紹介

今回は『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズの紹介……なのですが、まあ話が未完ですし続編が止まっちゃってるのできちんとした紹介ではないです。
むしろ「ねえ、みんなこれきちんと見てないでしょ?」というのを簡単に取り上げて説明しようかという試みです。ですので話の中身にはほとんど入りません。それにアニメ・劇場版の映像の方と、小説の方の区別もしません。それぞれ魅力があって、たとえば小説の方では一人称のみでやっていてでも主人公の名前が未だに出てこないとかなかなかありえないような点や、アニメの方ではキャラの細かな動きによる感情表現や音楽の選別なんかも魅力的なのですが、それらは逐一挙げることはしません。あくまでポイントとなるようなところですね。といっても全部挙げていったらキリがないのは当たり前。思いっきり絞ります。


まず前回までのパラダイムシフトに関する記事を見てきて欲しいところです(難しくてすみませんorz)。実はハルヒシリーズにはこれが中に入っているのです。
とても人気のある口癖ではありますが、朝比奈みくるの「禁則事項です」というのがあります(このキャラは未来人)。言葉のまま受け取るならば「未来の法律か何かで喋ることが禁じられている」ということになります。で、まあ実際にその通りなのでしょうが、ここだけ見てると本質を見逃します。みくるについてはまた戻ってくるとして長門有希の方へとちょっと移ってみようかと。
長門有希は簡単に言うと宇宙人なのですが、正確には「情報統合思念体によってつくられた対有機体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」です。最近のSF小説を余り読んでない人にはサパーリかと思いますので簡単に説明すると。今は宇宙「人」として人のような形をしているものや、バクテリアなどの地球上の生物と同じものを『宇宙人』とするだけではダメではないかと(少なくとも作家の方では)考え始めていて、違う存在の仕方をしていて、私たちにとっての生物の概念とは違うけれども生命とみなしてもいいのではないかというものが存在するのではないかと変わってきてます。簡単な話、今までは水と酸素で生物エネルギーを得ていたとされているわけですが、他の環境で別の物質が多い星では違うものをエネルギー源にしてたとしてなんらおかしくないかと。で、さらに今では物質として存在してなくても脳神経のように情報伝達をして意思疎通をしているものも生命のようなものではないかと考える人も出てきた。その一つがこの「情報統合思念体」です。これは宇宙全体に情報網を張り巡らせている巨大な存在で、ようは宇宙そのものが一個の生命体です。で、気になるのがその情報網ってどんな仕組みなの?、ってことですが――「んなもの説明できるかああ!!」と長戸有希はいつも言うわけです。嘘です(普通にかわいい子なので。勝手に言葉を変えてしまってファンの方々には心からお詫び申し上げますm(_ _)m)。長門が説明できないのは私たち地球人には『そもそも理解できないから』です。私たちの持っている現代の科学概念とはまったく異なるものとして情報統合思念体は存在しています。そもそもこいつは言語なんて煩わしいものを使っていないので、言葉を使用している地球の人間に説明することなんてできるわけがないのです。
さて朝比奈みくるに話を戻すのですが。こっちも事情は似ています。彼女の言動をよくよく見てみるとわかるのですが、こちらも私たち現代人とは異なる思考を持っています。明らかに今と未来では科学も文化も異なっていると言及している部分もありますし、どうやら言語とはまた違った情報の伝達手段を持っているようです。また技術も機械技術から脱却した模様で、時空移動するときに使うTPDDというのは脳の中に無形で存在します。ええ、仕組みなんて説明できるわけなし。故の「禁則事項です」という言葉にもなるわけですね。単純に規制がかかっていて説明できないというだけではなく、それは元々説明不可能。あるいは万が一理解できるようなことがあるとその相手は現代の社会では生きられなくなるということです。周囲と認識が異なってしまうわけですからね、朝比奈みくるのようにそこに適合するように教育されていたら別かもしれませんけど。


――と、見てくるとどうでしょう? これってようは話の中に『パラダイムシフト』が当然のように入っている小説ということになります。
著者の谷川流がどこまでこれを意識していたのかはわかりませんが、私が呼んでみた感じでは相当に科学論も勉強しているのではないかと。他にも立派なSFとしてきちんと科学の方で先を見た叙述を行なっています。数が多いし短く説明できるものばかりではないので、すぐ終わるものを一つだけ。
『涼宮ハルヒの憤慨』所収の「ワンダリング・シャドウ」では珪素構造生命体共生型情報生命素子なんてのが出てきます。これ、何気なく読んでると軽くスルーしてしまいそうですが、珪素は炭素と同属なのでようは地球上の生命体と同じような構造を持っているということです。かつ珪素は半導体としてシリコンに利用されてますね。ということは機械に近いということでもあるということです。この存在をどう受け取るか難しいところですが、一つには私が先に述べたように環境が違えば生物として存在する仕方も当然違うということ、二つに機械でも生命体とみなすことができるという考え方ができるかと。(まあ、記述の感じからして前者の要素が強い気がしますけど)



という感じで実はかなり科学的な考証がなされており、とてもよく練られているのがこの『涼宮ハルヒ』シリーズということになります。

さて順番的には本来逆ですけど、作品の紹介。
著者の谷川流は第8回のスニーカー大賞にて『涼宮ハルヒの憂鬱』で大賞を受賞(ここは大賞は滅多に出ません)。2003年6月に文庫化します。受賞の大きな理由は一人称でありながら非常に巧みに描写しているということが大きな理由だったそうです。
これはアニメ化もされており、2006年4月から7月にかけて独立UHF局を中心に放映。本来であればテレビ東京で放送されるはずでしたが諸般の事情によりこのような形に。これがむしろ功を奏し、YouTubeなどで公開するとともにその話の難解さを解説するようなwebサイトが乱立。MADなども大量につくられ人気が爆発的に上昇します。というのも話の時系列をごちゃまぜにしていたからです。2009年4月から10月にかけては新作14話を加えた全28話(ただし時系列などを整えたもの)を放送します。また2010年2月からは『涼宮ハルヒの消失』が劇場版公開されています。
ただ話はまだ完結してないです。というか続編出てくれないですorz(巷では色々な噂や揶揄が飛んでるみたいですけどねー。ほっとんど見当外れなので無視!)
ま、話の続きが出てくれないことは確かなので本の紹介もほっとんどできないという。これから大きく動いてくれそうなんですけどねー。
ということで、まあ最初の一巻だけ紹介。でもこれだけじゃこの著者の力量はわからないよって伝えておきます。(ああ、「萌え」の巧みな扱いとか他の見所紹介できなかった……)
涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)
by zattoukoneko | 2010-09-26 13:26 | | Comments(1)
Commented by zattoukoneko at 2010-09-26 13:36
まあ今回は前回までの「パラダイムシフト」関連記事からの繋がりということでこんな内容になりました。他の見所はまた別の機会にでもやることにしましょうか。

そして記事更新が遅れてて申し訳ないです……。ちょっと予定しているものがあるのですけど、そっちの方の事情が今コロコロと変わっているのでどうしたものかと考え中なのです。
ぶっちゃけTwitterの話なんですけどね。これからのどう使われていくのか興味があって、推測してみようと思っているのですが、障害だらけでして(汗) 資料はいくつも集めてて構成できてるんだけどなー。今書くと確実に「Twitter氏ね!」になるので、様子見中。
てなわけでちょっとペース遅れてるというか遅らせてますがご容赦をー。


本・映像・ゲームの紹介がメイン。でも他のことも扱ってます。


by zattoukoneko

プロフィールを見る
画像一覧

プロフィールやリンク

プロフィール       
筆名:雑踏子猫          
小説家・研究者として修業中。   
ブログの主旨:             
①自分の考えをまとめること。   
②見てもらう人にも考えてほしい。
やたらと6と13という数字に付きまとわれている人間(でも6は完全数とよばれる元々は神聖な数字ですねー)


【閲覧者数】(試用運転中)
カウンター


***

応援サイト様
(というかお気に入りサイト)
へのリンク

チュアブルソフト様
(アダルトゲームメーカー、注意)    
チュアブルソフト公式WEB





SQUARE ENIX様





電撃様


電撃文庫のHPの方で
私の作品を載せてもらってます。
ありがたいことです。



第1回電撃メジャーリーグで争った
山本 辰則 様
のブログ。
山本辰則の小説とか



素敵な小説を書かれている
雪見月瑞花 様
のHP、HarvestSnow
HarvestSnow
ただこちらは
“ひっそりと”
運営していきたいそうです。



こちらはお世話になっている
美容室gally@下北沢 様
です。
お薦めなのでリンクを貼りました。


 ***

ブログパーツ ハピネム

カテゴリ

全体

ゲーム
映像
生物・医療
化学
物理
歴史
社会・経済
受験関係
雑記
告知
作品品評
小説
エッセイ
未分類

最新のコメント

また私は、感情と常識(あ..
by zattoukoneko at 06:20
反差別さん、コメントあり..
by zattoukoneko at 06:19
最後です。 それ以..
by 反差別 at 14:07
続きです。 ・「性..
by 反差別 at 14:06
続きです。 ・「実..
by 反差別 at 14:06

記事ランキング

以前の記事

2017年 06月
2016年 12月
2016年 07月
2015年 09月
2015年 05月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 07月
2014年 01月
2013年 11月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 01月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 06月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 10月
2008年 08月
2008年 04月
2008年 02月
2007年 11月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月

ファン

ブログジャンル

画像一覧