チュアブル2nd『あまなつ』紹介

今回はチュアブルソフトの第2作『あまなつ』についての紹介です。
前回と同様画像はチュアブルソフト様より使用許可をいただいております。無断転載は絶対禁止!!

まずは基本情報。
発売は2006年の6月23日。CD-ROMで3枚で、パッケージの絵ってこれであってましたっけ?(ソフトが……埋もれて取り出せないorz)
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で、キャラクター紹介といきたいところですが、前回ここでぎん太さんが大きく飛躍したように感じられると言いました。それが次の絵です。HP上で公開されたとき、とても大きな反響を呼びました(ちょっとえちぃですけど、このくらいなら大丈夫ですよね?)
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これちょと全体が写ってるわけじゃないんですけど、すごい空気感が出てますよね。
――あ、全体の絵も発見。
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またGWAVE様とコラボして作品をイメージした楽曲やサウンドトラックが製品より先に発売されたのも印象的でした。この『Mermaid Kiss』に収録されている曲はとてもいいもので、私自身何度も聴いてます(何かの執筆中――てかこれ書いてるときも――聴いてますけど、再生回数が50を軽く超えてるみたいですね。前のPCから数えると100近くになるかも?)。
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このCDのジャケットも印象的ですね。他にもぎん太さんが素晴らしいイラストを公開してます(現在HP上からは消えちゃいましたが)。これらはぎん太イラストワークス (MAXムツク PUSH Selected)に収録されてたんじゃないかな?

さてキャラクターの紹介が遅れました。今回はメインヒロインは綾瀬真魚(あやせまお)、御薗木桜子(みそのぎさくらこ)、風見涼夏(かざみすずか)、ソフィア・由花莉・三島(そふぃあ・ゆかり・みしま)、はるさめの5名となります。
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立ち絵については……ごめんなさい、編集しようと思いましたけど多すぎて無理ですorz チュアブルさんの製品紹介ページのキャラクターのところにて何パターンか確認できますのでそちらをご覧ください。

舞台は海ヶ瀬(あまがせ)という海に面した町で、真魚と桜子、涼夏はそこにあるミッション系の学校の生徒。ソフィアは先生。はるさめは――秘密、ということで。
この海ヶ瀬には人魚にまつわる伝説があり、これと学校で教わるキリスト教由来の教義が密接に結びついています。また海の輝く誘火(いざない)という不思議な現象があるところでもあり、それに合わせて翠鱗際(すいりんさい)という七夕に酷似した行事が行われもします。話の期間はこの翠鱗際の前後の1ヶ月程度となります。
と、ここまで舞台の説明をしたところで前回の記事の『Pure×Cure』と比べればわかると思いますが、本作は舞台の設定がかなり前面に押し出された作品となっています。またただ舞台設定を細かくしたり、前に出しただけではなく、各キャラごとに人魚伝説の解釈などが変わってきたりして見事にこれを消化しています(ただしその分、人魚って結局何なのか?、という明確な答えは出せなかったりするわけですけど。まあそこが納得いかない人もいるでしょうし、私みたいに色々な解釈をするところに感心する人もいるでしょう。そこは人それぞれ、ということで)。

さてすっかりここまでの記事で忘れられてしまっている主人公くんですが(笑)、名前は常盤彼方(ときわかなた)。数年ぶりに海ヶ瀬に戻ってきて従妹の真海の家、兼、民宿である栄江荘で暮らすことになります。今回も彼は前作の米倉広海と同様失ったものがあります。
表面上にすぐにわかることは、泳げないということ。特に海が苦手で波しぶきがかかることすら怖いですし、船に乗るのもできないです。
これだけだと喪失というか、ただの問題点なのですが、話を進めていくとその原因が彼の過去の体験にあることがわかります。
『Pure×Cure』では喪失というのが想い人を亡くしたということで明確で単純でしたが、今回は表面上の「泳げない」という問題点とその裏にある「過去の出来事」の二重のものでできており、その分厚みが増しています(ただそれだけ受け手にはすんなりとは受け入れがたいという問題も生じますが、これもプレイした人によって好みは分かれるでしょう)。

本作での見どころはやはり人魚伝説の解釈の仕方ではないかと思います。多少攻略キャラによって似ているものも出てきますが、ここまで綺麗に舞台設定を活かしているのは素晴らしいです。
個人的にはソフィアのルートが好きなのですが、解釈としては他のものと比べると平凡ですし、ストーリーもありがちと言ってしまえばそうなってしまうかもしれません。ただそれを彩るキャラクター同士の駆けあいや舞台設定の有効な利用、また絶妙なタイミングで『Mermaid Kiss』に収録されていた歌が挿入されるのも素晴らしい演出です(CDの発売が先っていうのには当初戸惑いましたけど、結果とてもよかったです)。
他には涼夏は一言で片づけてしまえばツンデレキャラですが、そこはチュアブルさんが独自に「ツンデレって何か?」を追及していて、そんじょそこらのツンデレではないです。ありふれたツンデレを望んでいた方はがっかりするかもしれませんが、この独自性を見ようとする姿勢は尊敬の念に値すると思います(ちなみに余談ですが、きっとこの話を見てなかったら私が第8回の電撃掌編王で受賞することもなかったと思います。あれができたのはこの作品の影響が少なからずあったんだろうなと感じますから)。

さて『Pure×Cure』と比べると舞台設定やそれの取り込みで本作は大きく進歩しました。また主人公の背負うものも複雑化しました。
ですがそこを好きになるかどうかは受け手によると思います。『Pure×Cure』の方が単純だったために感情移入はしやすいです。想い人を亡くすなんてのは特に多くの人にとって琴線に触れるものでしょうし。
ただ少なくとも駄作なんかではないです。普段からそれなりに複雑な物語に慣れ親しんでいる人はとても気に入ると思いますね。

なお物語の構成は『Pure×Cure』では起承転転転結(細かく分ければもっと転は多い)ととても転が多かったわけですが、今回はストーリーが各キャラで全く違うからか、あるいは演出面で強化されているからか、転の数は減ってます。なので『Pure×Cure』のように「これでもか!」というほどに読者の心を揺さぶってくる箇所は少なくなってます。
でもこれも受け手の好みによると思います。私も転が少ないソフィアのルートが好きですし。それに減ったとはいえ最低でも起承転転結とみることができますので、そんじょそこらの物語よりはずっと転は多いはずです。


以上が、簡単にではありますが、紹介って感じでしょうか。
万人受けし消しやすい『Pure×Cure』よりはファンが少なくなりそうですけど、それは物語が駄目だからじゃないと私は強く主張しておきます。
それにきちんとチュアブルさんの作品です。「Medicine for your mind.」はきちんと受け継がれていますよ。
チュアブルソフト公式WEB
by zattoukoneko | 2010-03-08 08:46 | ゲーム | Comments(11)
Commented by zattoukoneko at 2010-03-08 09:40
記事のupからまだ1時間なのに、とんでもない訪問者数を記録中。

ちなみに中には変なサイトへの誘導コメントをしていく人がいます。今も速攻で消しました。
でもこれはチュアブルさんがアダルトゲームメーカーで、それを紹介しているからではないです。
出てきたのは電撃メジャーリーグに私が参加してからで、頻度もそれほど変わっていません。むしろ訪問者数で割ると、率は少なくなってるくらいです。
変なコメントを見つけたからってチュアブルさんに嫌な偏見は持たないでくださいね。
Commented by さたんまりあ at 2010-03-08 17:00 x
どーもです。
CFCから懲りずにまた来てしまいました。
そしてキテシマッタ!!チュアブルさんの問題作!!
とは言えその要因は、チュアブルさんちが作りたいモノとユーザーが期待していたモノの違いからくるものであったと……思いたいっっ!!(無理があるか…!?)まぁ、確かに消化不良なトコあろからなぁ…
しかしっ!!、だからこそ言えることがある!!!
今でも「あまなつ」を売らずに持っている人はチュアブル愛に溢れた人であると!!!!!
……(こんなんじゃ)ダメ?
そんな作品ですが(←なにげにヒドイ)、オススメキャラ(シナリオ)は、メイン張ってる?真魚(3月6日が誕生日でしたね♪)と後輩な桜子…かなぁ…うーーーん……悩むトコロだ
そうそう、涼夏はツンデレというよりヤンデレに近い方だと思います、先生!!
Commented by zattoukoneko at 2010-03-08 18:50
>さたんまりあ様
消化不良なのってサブキャラの話の方でしょうかね? 私はいまだに空くんの話を待ってますよw

涼夏はヤンデレですか……。難しいところでしょうねえ。ヤンデレに限りなく近いけど、その一歩手前って気がします。
(あと多分発売当時はヤンデレって明確には打ち出されてなかったと思います。今でも解釈が人それぞれみたいですし)
Commented by 與華 at 2010-03-08 20:49 x
CFCより、與華です。
私は涼夏お姉さまが大好き! 女の身としてはあんな知的なお姉さまがいてくれたら・・・・・・♪、と思います。こんな私って腐女子?

さたんまりあさんへ。
『あまなつ』って問題作なんでしょうか? 確かにzattoukonekoさんの言うように好みは分かれそうですけど、問題ってほどじゃない気がします。少なくとも私は楽しんでやりましたし。
むしろ問題だったのはその当時に嫌がらせしてた人たちだったような気がします。
Commented by zattoukoneko at 2010-03-10 00:41
『あまなつ』に関しては私もちらっとウェブ上でどんなことを言われているのか見てみました。
かなり悪口が目立ちますね。
でも「悪口」です。「批評」や「批判」ではないですね。きちんと論拠を示したものではないですし、まだただ自分の感情を言っただけならまだしも(感性は人それぞれだから受け入れられるべきですが)、明らかに悪意を持って「悪口」を言うためにプレイして書いているものが見受けられました。
もし他のサイトの意見を参考にするようでしたら、その辺りをきちんと見極めないとだめですね(同じことは私のこの記事やコメントにも言えますけど。科学哲学で言う反射性ってやつですね)。
Commented by さたんまりあ at 2010-03-11 15:50 x
WEB上で言われていた事も悪意があるとは言え、感想だったのだろうという捉え方をしていたので、あのような発言と相成りました……すみません(言い訳がましくてすいません。)

消化不良について……
人魚伝説やサブキャラたちのこともあるにはあるのですが、全体を通して物足りなさ?(なんかこう…イマイチ感?)のようなモノを感じてしまっていたので(そこらへんはなんとも言葉に出来ないのですが…)自分の消化不良の要因はそこらへんにあるのかもしれません。
Commented by zattoukoneko at 2010-03-11 17:34
感想は確かに大事だと思います。私もここにコメントしてくれる方にはそういうの求めます。
でも(「悪口」と「批判」の区別は難しいのですが)「批評」にはルールとマナーがあって守らなければなりません。まあ、TVなどで専門家というのができてないのことが多いので仕方ないのですが。

簡単に書くと、
まず著者の略歴を触れます。
次に作品の背景を触れます。研究論文・書であればそれを発表する意義ですね。
そして全体を通して良いところを挙げます。これが2/3程度を占めることがマナーとされます。
最後に問題点を挙げます。ただ「問題点」というのは間違いや不満を述べるのではなく、ここは改良の余地がありそうだ、とか、他の作品や論文・学問分野と主張が違っていてそのすり合わせはどうしよう、とかつまり次への課題を示すことです。

一応私はここの記事では大体これを守っているかと思いますよ。
まあ、参考までに。
Commented by 與華(CFCより) at 2010-03-11 18:37 x
zattoukonekoさんは感想も大事と言っているわけですけど、中には感想として悪口みたいなものになってしまうものもあると思います。
そういう感想と、悪口のための感想ってどう見分けたらいいものなのでしょう?
Commented by zattoukoneko at 2010-03-11 19:55
與華様への回答です。

感想と「悪口」を見分けるのは、かなり直観に頼る部分があるので、確実な方法はお伝えできないです。慣れるしかないでしょうか。
ただ一応、私が注意してみているのは、

感想でもそこには心の動きがあるので、(論理的でなくとも)理由があると思います。丁寧な人はそれをきちんと伝えようとしてくれます。上のさたんまりあ様のように「言葉にできない」と言いつつも伝える努力をしてくれているのが好例かと。
今だから言いますが、私が「悪口でもいいので理由をつけて」と書いたのはそれを引き出すためだったりしました。
ただWeb上では短いコメントしか残さない人もいるのでそれは本当に直観です。

あとは中には理由をつけて「悪口」を言う方もいます。が、こういう人は大抵他の部分を蔑ろにしたことを自白してます(たとえば「~が好きになれなかったので後は読み流した」とか)。
なので理由付きのコメントをみたときに「あれ?」と思ったときはそういう部分がないか探すとよいかと。

こんな感じのことしかお伝えできないですけど、回答になりましたでしょうか?
Commented by zattoukoneko at 2010-03-11 20:00
あ、ちなみに「與華」の読みは「くみか」でいいでしょうか?
大正時代とかの公式文書に載っている「与」の古い字体ですよね? 「与す」で「くみす」と読むからそう思ったんですけど……。
間違ってたらごめんなさいm(_ _)m
Commented by 與華 at 2010-03-12 08:25 x
はい、「くみか」であってます。
華という漢字が使いたくて、それに合うような画数の多い文字を探して漢和辞典をめくってたら見つけました。「華を與える」って意味も気に入りましたので。
でも大正時代なんかに使われていたんですね。もっと昔の漢文の時代のものかと思ってました。

感想と悪口の区別については何となくわかった気がします。でも慣れが必要そうですね。実際に見たらわからなくなりそう……
精進します。回答ありがとうございました。


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