インフルエンザ

さてインフルエンザの話をしようと思いますが、今から紹介するインフルエンザがどこからやってくるかという話は仮説の一つです。
というのも明確な解答がまだ得られていないからです。
とりあえず一番面白い仮説を取り上げることにします。(ただし途中途中きちんと立証されていることも混ぜていきます)

インフルエンザはそもそもどこにいるのか、ということに関してはまだ定説がありませんが、一つの説として宇宙から飛来してくるのだ、というものがあります。
前記事で述べたようにウイルスは生物ではありませんので、真空の宇宙でも存続できるわけです。
で、厄介なのは(地球のオゾン層の外なので)紫外線を浴びまくるということ。これによって遺伝情報がガンガン変化し強毒化していきます(正確には人間や他の生物にとって未知のウイルスへと変化するということです)。
このインフルエンザウイルスは、別に雨や塵のように地球上に降ってくるわけではありません。というかできないのです。
ご存知の通り、地球は磁石なのですが、この磁場によってインフルエンザウイルスは侵入ができません。
ところが磁場が弱まるところがあります。それは磁力の出入口であるN極とS極、つまり北極と南極です。ここは磁場の層が薄くなっています。
b0118096_1421349.gif
こんな感じですねー。
このため北極と南極にはインフルエンザウイルスが入りやすいのです。

で、問題は北極の方。夏の時期、北極周辺には渡り鳥がいます。こいつらがインフルエンザウイルスに感染してしまいます(ただし後述するようにこのままだと人には何ら問題ありません)。
この渡り鳥は冬になると中国付近にやってきます。
ここで困るのは、中国では人とブタがほとんど同じ空間で生活しています(日本の養豚所みたいに隔離されていないのです)。
で、渡り鳥のインフルエンザ(つまりトリインフルエンザ)はそのままでは人間に感染しません。というのも前の記事で書いたように、インフルエンザウイルスはスパイクを持っているわけですが、これが人間の免疫機構に引っかかるのです。だから感染は(ほぼ)100%起きません。
ところがトリインフルエンザのスパイクは、ブタには防げません。なのでブタには感染します。すると今度はブタインフルエンザへと変異します(スパイクがブタの細胞膜に埋まっていたタンパク質由来のものに変わるのです)。
するとこのブタインフルエンザのスパイクは人の免疫もかいくぐれるようになります。つまり人間も感染しちゃうわけです。こうなるとヒトインフルエンザとなり、完璧に人間へ感染できるようになります。
まあこのまま中国内部でインフルエンザウイルスがとどまってくれてればいいわけですが、現代では交通網(特に飛行機)が発達しています。そのため世界中へと拡散していくという流れになっています。
この冬に渡り鳥が北極から南下してくるということと、(特に日本で)冬は乾燥しているという条件がマッチしてインフルエンザはこの時期に流行るわけです(ウイルスは生物ではないので水を必要としません。むしろ水でまとめられるので、水分に弱いのです)。


さてはて以上が基本的なインフルエンザ流行の流れですが、去年は新型インフルエンザというものが話題になりましたね。こいつに触れないわけにはいかないでしょう。
上で述べたようにインフルエンザはトリ→ブタ→ヒトへと感染し、また逆にヒト→ブタ→トリと戻ったりします。これを繰り返すとインフルエンザは変異し、新しい種へと変化します。よって強毒化し、感染力が高まります(なので間違ってもインフルエンザにかかった人は豚と鳥と同じ部屋でこもらないでください。まあ、そんなことしないと思いますが)。
ただこれまでの(中国由来の)インフルエンザであれば、大体の人間はこれまでの歴史で経験済みで、ある程度の耐性を持っています。
ところが昨年でてきた新型インフルエンザは中国発祥ではないわけです。こいつは人類にとって未知のウイルス。だから「新型」なのです。
新型インフルエンザに対しては、人間は耐性を持っていないので容易く感染します。また毒性も若干ながら強いです。そのため世界中で警鐘が鳴らされたというわけです。

ですが、じゃあ(新型)インフルエンザってどのくらい感染するの?、という疑問が出てきます。
実はたかだか3割程度です。さらに感染者の死亡率は数%(その多くは老人や幼児)です。つまりニュースであそこまで大きく取り上げられ、人々もこぞってマスクを買い漁るほどのものではないということです。
と、一応マスコミなどの対応は大袈裟すぎると言っておきますが、実際のところ3割の感染は結構深刻です。仮に会社の人間3割が新型インフルエンザにかかったとしましょう。もちろん出勤は禁じられるのでお休みです。すると業務がほとんど停止します。これは経済にとって大打撃となるわけです。だから警鐘を鳴らすのは間違いではないわけです。
また(新型だけでなく)インフルエンザは死ぬ病気だという認識も忘れてはならないでしょう。たかだか数%と思うかもしれませんが、他の風邪なんかでは(肺炎になるまでこじらせたりしない限り)まず死なないです。ですのでインフルエンザに対しては注意するのは大事なことです。

と、ちょっと話が入り乱れてしまうのですが、インフルエンザの脅威としてよく挙げられるスペイン風邪というものがあります。
このスペイン風邪はインフルエンザの大流行によるもので、インフルエンザによって大量に人が死んだんだ、とよく言われます。
間違いです。正確には、インフルエンザによって生じた「肺炎」によって死んだ、です。肺炎で亡くなった割合が8~9割以上と推定されています。
まあ、元がインフルエンザなので完全なる間違いというわけでもないですけれど。

あと、新型の前に話題になっていたトリインフルエンザについても少し触れておきましょう。
上で述べたように、トリからヒトへの直接の感染というのはまずないことです。間にブタなどの家畜を挟まない限り、人間への感染はまずないと言えます(だから食べても問題はほとんどないはずです)。なので日本で行われた、全焼却、みたいなのはちょいとやりすぎな感もあります。ただひょいとした拍子に他の動物を媒介として人間にうつれば、それは「新型」となってしまうのでやむを得ないのかもしれません。
また、もし仮にトリからヒトへと直接感染した場合(可能性は極めて低いですが)、これは「新型」どころの騒ぎではなく、完璧なる未知のウイルスとなります。この場合致死率は9割にものぼるのではないかと考えられています。
なのでトリインフルエンザに対しては少々誤解があり、「トリインフルエンザが見つかった県の鶏だから食べない」は行き過ぎ、でも対策としては万全を期するべきなのかもしれない、という感じです。

最後にインフルエンザ対策で締めくくりましょう。
ぶっちゃけ、マスクしてても意味ないです。ウイルスは極めて小さいので市販されているようなマスクでは網目を悠々と通過します(それにマスクの横なんかもあいてますし、他の部位や服に付着してれば、マスクを外した後に口の中に入ってきます)。本当にウイルスの侵入を防げるようなマスクは一枚数百円から一万円程度します。もちろん使い捨て。当然市販はされていません。
マスクの効果としては、口とマスクの間に湿気がこもるので、それでウイルスをからめとれる効果が期待できること(ウイルスが水に弱いことは先述)。あとは感染者が咳をしたときに、ある程度ウイルスの拡散を防ぐということです。
ですので本気でインフルエンザ対策をしたいのであれば、
マスクは(効果が薄くとも)つけておく。家に帰ったらマスクは破棄、着ていた衣類はすべて即洗濯。うがい手洗いは当たり前、アルコール消毒も行うのが望ましい。さらにウイルスは髪の毛や露出していた皮膚にも付着しているので速攻でお風呂に入って念入りにウイルスを流します。
ここまでやれば大体は感染が防げるはずです。でも……正直大変すぎますね。

なお冬風邪と夏風邪は別物です。具体的には前者がインフルエンザウイルスやライノウイルスといったウイルス性のものがほとんど。対して湿度の高い夏はウイルスが弱体化しており、逆に水によって増殖する細菌による風邪となります。ので対策も若干異なります。
まあこの対策の違いはそのうちしましょうか。



さて、なんか年が明けてから立て続けに更新をしました。ちょっとやりすぎな感を自分では覚えてます。まあ、インフルエンザの話は今の時期じゃないと遅くなってしまいますから仕方ないですかね。
次回は細胞関連で繋がりがいいのでガンの話あたりにしようかと思ってます。初期と末期で何が違うのか、発ガン性物質とよく言いますが、正しくはイニシエーター、プロモーターという二種類に分かれるということ、などを取り扱うつもりです。
by zattoukoneko | 2010-01-08 15:28 | 生物・医療 | Comments(0)


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